2000年8月13日の降灰後の村営牧場と雄山登山道路の状況

by Isoji MIYAGI @ Geological Survey of Japan, AIST

噴火対応

火山灰関連ページ

霧島山新燃岳噴火への対応


桜島の火山灰


三宅島2000年噴火


有珠山2000年噴火

筆者によるヘリ観測報告

三宅島top↑

2000年

10月10, 16, 19日, 12月27日;

2001年

1月15, 29日, 2月12日, 3月5, 26日, 4月9日, 5月14日, 7月20, 23, 27日, 11月21日;

2002年

1月23日; 3月13日; 7月12日; 8月29日; 10月2日; 11月13日;

2003年

2月25日; 4月23日; 9月16日; 10月30日;

2004年

1月14日; 4月8日; 7月27日; 10月14日;

2005年

8月19日;

(宣伝 ^_^);
火山研究解説集:


撮影・報告=宮城@地調
作成日: 平成13年2月?日;
デザイン変更: 2007年12月23日日曜日


これは三宅島再噴火 2000年8月11-15日の現地調査の一部です.


★背景★

 2000年6月から始まった今回の三宅島火山活動様式は,歴史時代の噴火(例えば1983年は溶岩を出す噴火が半日で終了)とは大きく異なりました.噴火は山頂からの火山灰放出が主で,近代の火山学者にとっては恐らく初めての体験である,山頂部の大規模な陥没現象も含まれています.本調査当時,その噴火機構の解釈は大きく分けて二つあり,ひとつは「三宅島の地下にマグマはなく,噴火は熱水の沸騰による」というもので,もうひとつは,「一連の噴火にマグマが直接関与した」というものでした.筆者(ら)は7月14〜15日の火山灰を詳細に調べた結果,後者の説が濃厚だと確信し大変緊張していましたが,幸いなことにその噴火以降,三宅島は静けさを取り戻していました.三宅島がその沈黙を破ったのは約1ヶ月後,8月10日のことでした.

★したこと★

 2000年8月10日の再噴火で島内に堆積した火山灰の調査および採取をしました.8月13日には,噴火にともなう泥雨をライブで採取しました.8月14日には13日の堆積物の調査と採取をするとともに,同日の噴出物を採取しました.

★成果★

 研究所に持ち帰った8月10日(走査電子顕微鏡写真)および13日の火山灰(写真)には,7月14日(写真)とそっくりな物質(マグマの可能性が益々濃厚)が含まれることが明かになりました.その詳細は予知連や火山学会で報告したほか,比較的分りやすいかたちでこの文章にまとめてあります.

※なお噴火機構の解釈は,2000年11月1日の予知連で北大と東大地震研が「2000年三宅島の山頂噴火でマグマが出た(地調のこれまでの主張と同じ)」という見解に達したことによって,現在は統一されています.

★その後★

 本調査の後すぐ,8月18日に,三宅島は最大級の噴火をしました.また8月29日には海岸線まで達する火砕流(低温の)が発生しました.地調は8月31日の予知連に,「一連の噴火は,マグマが直接に関与した噴火である可能性が高い」という見解を提出しました.9月1日に決定された全島避難は,膨大な量の火山ガス放出のため,本稿執筆時点(2001年2月7日)でも,解除されていません.今後は膨大な火山ガス放出がどのように推移するかを見極めることが,重点課題になるでしょう.




000813ash-cowsm.jpg


昨晩の噴火で灰を浴びた牛たちです.

非常に不愉快そうな表情に見えました.早く水をかけて洗ってあげたかった


000813ash-pyr1sm.jpg 000813ash-pyr2sm.jpg

[1] [2]

水によって再流動した部分には,1/10mm以下の黄鉄鉱が濃集していました.黄色く,砂金のように見える部分がそれです.


000813ash-road1sm.jpg


村営牧場から雄山への登山道です.付着した灰の重さに耐えきれず,道沿いの木々はこのように倒されてしまいました.人物スケールは金子@地震研さん.

火山ガス(二酸化硫黄?)の臭いが強く,鼻の奥がひりひりしました.防塵マスクをつけると,多少,つらさが低減しました.


000813ash-gpsptsm.jpg


GPS観測地点の全景です.※複数の写真から合成しました.

白へルメットは中田@地震研さん,赤へルメットは金子@地震研さん.


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昨晩の降灰によって一部の太陽電池パネルは機能を停止していました.

灰の除去をおこなうとともに,試料採取をしました.

白へルメットは千葉@アジア航測さん.

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