三宅島ヘリ観察報告: 2003年4月23日
by Isoji MIYAGI @ Geological Survey of Japan, AIST
- 観察・報告: 宮城磯治 (産総研・深部地質環境研究センター/ 地質調査総合センター)
- 同乗者:気象庁の中堀さん,中村さん.東大地震研の金子さん,古屋さん.
- ヘリ:海上保安庁「わかわし」スーパーピューマ
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目次 |
概要:
天候:曇り(雲底は十分高く,火口観測に支障なし).風は南〜南南西(海抜300ftは180度から20ノット; 海抜3000ftは200度から20ノット(約10m/s)).
噴煙:白色噴煙.高さはカルデラリムから2-300m程度.噴煙は北に流れる.青白色ガスも同方向の山麓〜沿岸に流下.
陥没カルデラ内:スオウ穴直下では,崖錐が成長し,池の面積も縮小.主火孔周辺に大きな変化は認められず.気象庁の赤外熱映像装置による火口内最高温度は192℃(ただし主火口が噴煙で覆われ,少し低めに出ている可能性あり).火口内の池は西側のものを除いて,全体的に面積が縮小し,赤茶色.火口観測は高度3000ftで反時計回りに4周回.
火山ガス:COSPEC観測を火口から北〜北東に3マイルおよび5マイルの海上で,3回実行.噴煙直下を通過中,機内は強い硫黄臭(H2S).
山麓周縁部:特に大きな変化はなし.火山ガスの影響が少ないと思われる地区では,樹々が緑色の葉をつけていた.神着の南にある川田沢貯水池の色調は,明るい緑色.
行程:
6:12 つくば出発.
7:50 海上保安庁(羽田)に到着.
9:55 ヘリクルーと本日の飛行打ち合わせ.
10:21 羽田を離陸.
11:15 三宅島空港に着陸.古屋さんが降り,島内作業(重力観測データ回収).
11:25 三宅島空港を離陸.COSPEC観測開始.
11:50 COSPEC観測終了.火口観測開始.
12:20 火口観測終了.
12:33 新島空港着陸.昼食,燃料補給,休憩.
13:43(?) 新島空港離陸.
13:59(?) 三宅島空港着陸.古屋さん再搭乗.
14:10 三宅島空港離陸.
14:25-30 大島にて,座礁船観察.
14:55 羽田航空基地帰着.
17:10 つくば到着.
三宅島まで
海上保安庁の格納庫にて.羽田⇔浜松町のモノレール. [1]
お世話になったヘリ.「わかわし,MH806」,スーパーピューマ.
ヘリクルーは5名,観測者らは5名,計10名が搭乗.
10時10分エンジンスタート,10時21分羽田を離陸.
離陸直後の羽田空港と,都内.視程は普通〜やや悪.
横浜→逗子をとおり,10時37分頃に洋上にでる.
三宅島
三宅島に到達後すぐ(左)空港に着陸.古屋さん(重力観測)が降りる(右).
火山ガス観測
COSPEC観測の準備(左),準備完了後(中),離陸(右).
COSPEC観測中に噴煙をくぐる様子.
機体は三宅島の北海上を反時計回りに進行.噴煙をくぐる直前(左),噴煙の真下(中),噴煙をくぐった直後(右).
COSPEC観測の様子.SO2の吸光度が,リアルタイムでペンレコーダーに出力される.これを気象庁に持ち帰り,データ解析する.11時50分頃COSPEC観測(3回)を終了.
陥没カルデラ内の観察
火口観測のため,モンキーベルトを装着(右). [18]
北東に流れる噴煙. [19]
陥没カルデラ全景
カルデラ内側からみたスオウ穴と,その下部の崩落物 [22]
火孔アップ [23]
陥没カルデラリム,東がわと,北がわ.
陥没カルデラ全景(再) [26]
カルデラ底アップ
山麓の様子
山麓の植生など.
帰投
12時22分,火口観測をおえ,新島に向かう.
12時33分新島空港着,昼食・休憩後,13時43分離陸
新島の南岸.グランドキャニオンのようだ. [48]
保安庁の業務で,伊豆大島の座礁船を観察.
伊豆大島付近より南は曇天,それより北は,小雨.
14時42頃油壷付近から上陸.
羽田飛行場,ヘリを降りる,格納庫.
おつかれさまでした.