上の図は高温超伝導体に対して得られている相図です。
銅酸化物高温超伝導体は銅-酸素二次元面をもつ典型的なペロブスカイト構造をした物質です(下の図参照)。
銅原子の周りに八面体を成すように酸素原子が並んでおり、銅と酸素から成る二次元面が伝導をになっています。この二次元面の中に
高温の超伝導を引き起こすものが含まれているわけです。
高温超伝導の理論は数多く提出されていますが、超伝導のメカニズムはまだ解明されていないと考えられており、引力のメカニズムを明らかにする必要があります。
銅酸化物の高温超伝導体は二次元性の強い物質であり、超伝導の起源は銅と酸素から構成される二次元面にあると考えるのが自然です。超伝導ギャップの対称性がd波であることから、クーロン相互作用を起源とする超伝導が高温超伝導の有力候補です。すなわち、基本的モデルは銅-酸素を考えた三バンドのd-pモデルとなります。このd-pモデルで高温超伝導の高いTcを含めた異常な現象を説明できればいいことになります。
銅酸化物の高温超伝導体においてもフェルミ面近傍の逆向きスピンを持った電子対がペアーを作ることにより超伝導が起きていると考えられています
d-pモデルをより簡単化して1バンドのモデルを考察することがしばしば行われます。主として二つのモデルが考えられており、それらは
ハバードモデルとt-Jモデルであり、どちらが1バンドモデルとして現実の物質のより良い近似になっているかは難しい問題です。
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