一杉裕志
産業技術総合研究所 人工知能研究センター
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なお、数年後には完全閉鎖予定ですのでご注意ください。
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研究テーマ: 脳型汎用人工知能アーキテクチャの研究開発
人間のような知能を持つ機械を実現する最も確実な方法は、脳の動作原理を解明し、それを模倣することです。
私は自ら再帰的に目標を設定する強化学習 RGoal を用いた脳型汎用人工知能(AGI)アーキテクチャの構築を目指しています。
また、計算論的神経科学の分野で知られている大脳皮質に関する知見をヒントにした BESOM と呼ぶ
機械学習アルゴリズムの開発も行っています。
BESOM は複数の機械学習技術
(自己組織化マップ、ベイジアンネット、独立成分分析など)を組み合わせたもので、
計算機上での効率的実行に適した有望な技術になると考えています。
解説等
研究構想の説明資料、発表資料、解説など
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一杉裕志,高橋直人,竹内泉,佐野崇,中田秀基,
プログラム合成対象言語 Pro5Lang における知識表現形式,
第27回 人工知能学会 汎用人工知能研究会(SIG-AGI), 2024.
[ paper ] [ slides ]
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一杉裕志,中田秀基,高橋直人,竹内泉,佐野崇,
モンテカルロ版 RGoal アルゴリズムの改良,
第26回 人工知能学会 汎用人工知能研究会(SIG-AGI), 2024.
[ paper ] [ slides ]
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一杉裕志,中田秀基,高橋直人,竹内泉,佐野崇,
再帰的な階層型強化学習 RGoal へのサブルーチン例外終了機能の導入,
第25回 人工知能学会 汎用人工知能研究会(SIG-AGI), 2023.
[ paper ] [ slides ]
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一杉裕志,中田秀基,高橋直人,竹内泉,佐野崇,
報酬最大化を目的とする行動計画・実行・対話・推論の統一的制御機構,
第37回 人工知能学会全国大会, 2023.
[ paper ] [ slides ]
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一杉裕志,
大脳皮質って何?大脳皮質についての基礎知識,
第37回 全脳アーキテクチャ勉強会〜大脳皮質の回路とその役割の謎に迫る〜, 2023.
[ slides ]
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一杉裕志,
脳全体のアーキテクチャと対応付けたAGI研究 ー前頭前野と前帯状皮質の機能が今後重要ー,
汎用人工知能研究会(SIG-AGI) ワークショップ:AGI研究第3の波, パネル討論ポジショントーク資料,2022.
[ slides ]
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一杉裕志,中田秀基,高橋直人,竹内泉,佐野崇,
プログラム合成対象言語 Pro5Lang のための行動価値関数圧縮アルゴリズム,
第22回 人工知能学会 汎用人工知能研究会(SIG-AGI), 2022.
[ paper ] [ slides ]
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一杉裕志,中田秀基,高橋直人,竹内泉,佐野崇,
報酬最大化AGIのための意思疎通機構の設計とプロトタイプ実装,
第21回 人工知能学会 汎用人工知能研究会(SIG-AGI), 2022.
[ paper ] [ slides ]
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一杉裕志,中田秀基,高橋直人,竹内泉,佐野崇,
汎用人工知能のためのプログラム合成対象言語 Pro5Lang のエピソード記憶機構,
第20回 人工知能学会 汎用人工知能研究会(SIG-AGI), 2022.
[ paper ] [ slides ]
-
一杉裕志,
報酬最大化原理にもとづく脳型AGIアーキテクチャの構想,
第18回 人工知能学会 汎用人工知能研究会(SIG-AGI), 2021.
[ paper ] [ slides ]
-
一杉裕志, 中田秀基, 高橋直人, 佐野崇,
物体操作に適したワーキングメモリを持つ汎用人工知能アーキテクチャの検討,
第16回 人工知能学会 汎用人工知能研究会(SIG-AGI), 2020.
[ paper ] [ slides ] [ demo movie ]
-
一杉裕志, 中田秀基, 高橋直人, 佐野崇,
脳の自律的プログラム合成機構のモデルに向けて:
2層ベイジアンネットによる記号処理命令の獲得・実行機構,
第15回 人工知能学会 汎用人工知能研究会(SIG-AGI), 2020.
[ paper ] [ slides ], Julia source [ cpt.jl ] [ learn.jl ]
-
一杉裕志, 中田秀基, 高橋直人, 佐野崇,
推論規則の価値を階層型強化学習 RGoal を用いて学習する手法の提案,
第14回 人工知能学会 汎用人工知能研究会(SIG-AGI), 2020.
[ paper ] [ slides ] [ Java program ]
- Ichisugi Y., Takahashi N., Nakada H., Sano T.,
Hierarchical Reinforcement Learning with Unlimited Recursive Subroutine Calls. In Artificial Neural Networks and Machine Learning - ICANN 2019: Deep Learning, Lecture Notes in Computer Science, vol 11728, pp. 103--114, Springer, Cham, 2019.
[ paper ] [ slides ]
- 一杉裕志、中田秀基、高橋直人、佐野崇、
「階層型強化学習 RGoal を用いた記号推論の実現手法の検討」
第12回 人工知能学会 汎用人工知能研究会(SIG-AGI), 2019.
[ paper ] [ slides ]
- 一杉裕志、高橋直人、中田秀基、佐野崇、
「階層型強化学習 RGoal アーキテクチャへの再帰呼び出し用スタックの導入」,
人工知能学会全国大会, 2019.
[ paper ] [ slides ]
- 一杉裕志、高橋直人、中田秀基、佐野崇、
「単一化の機構を利用した階層型強化学習のテーブル圧縮手法の検討」
第10回 人工知能学会 汎用人工知能研究会(SIG-AGI), 2018.
[ paper ] [ slides ] [ Prolog program ]
- Ichisugi Y., Takahashi N.,
A Formal Model of the Mechanism of Semantic Analysis in the Brain. In Proc. of Biologically Inspired Cognitive Architectures 2018 (BICA 2018), Advances in Intelligent Systems and Computing, vol 848. Springer, pp.128--137, 2018.
[ paper ] [ slides ] [ Prolog program ]
- Takahashi N., Ichisugi Y.,
Toward Human-Like Sentence Interpretation -a Syntactic Parser Implemented as a Restricted Quasi Bayesian Network-, In Proc. of Biologically Inspired Cognitive Architectures 2018 (BICA 2018), Advances in Intelligent Systems and Computing, vol 848. Springer, pp.301--309, 2018.
[ paper ]
- 一杉裕志、高橋直人、中田秀基、佐野崇
「RGoal Architecture:再帰的にサブゴールを設定できる階層型強化学習アーキテクチャ」
第9回 人工知能学会 汎用人工知能研究会(SIG-AGI), 2018.
[ paper ]
[ slides ]
[ Java program ]
- 一杉裕志、高橋直人
「脳における文の意味解析機構のモデル」
第8回 人工知能学会 汎用人工知能研究会(SIG-AGI), 2018.
[ paper ]
[ slides ]
[ Prolog program ]
- Hidemoto Nakada and Yuuji Ichisugi,
Context-Dependent Robust Text Recognition using Large-scale Restricted Bayesian Network, In Proc. of International Conference on Biologically Inspired Cognitive Architectures (BICA 2017), Procedia Computer Science, Vol. 123, pp.314--320, 2018.
[ paper ]
- Naoto Takahashi and Yuuji Ichisugi,
Restricted Quasi Bayesian Networks as a Prototyping Tool for Computational Models of Individual Cortical Areas, In Proc. of Machine Learning Research (AMBN 2017), Proceedings of Machine Learning Research, Vol.73, pp.188--199, 2017.
[ paper ]
- Takashi Sano and Yuuji Ichisugi,
Translation-Invariant Neural Responses as Variational Messages in a Bayesian Network Model, In Proc. of 26th International Conference on Artificial Neural Networks (ICANN 2017) Part I, Lecture Notes in Computer Science, Vol. 10613, pp.163--170, 2017.
[ paper ]
- 一杉裕志、高橋直人、尾崎 竜史:
「大脳皮質の計算論的モデルを用いた組み合わせ範疇文法パーザ実装の構想」
言語処理学会第23回年次大会(NLP2017).
[ pdf ]
- 一杉裕志、
「疑似ベイジアンネットを用いた認知モデルのプロトタイピング手法の提案」
第4回 人工知能学会 汎用人工知能研究会(SIG-AGI), 2016.
[ paper ][ slides ]
- 一杉裕志、「双方向回路 QBC による認知機能モデルのプロトタイピング」
ミーティング用資料 [ pdf ]
- Yuuji Ichisugi and Takashi Sano:
Regularization Methods for the Restricted Bayesian Network BESOM,
In Proc. of International Conference on Neural Information Processing (ICONIP2016) Part I, LNCS 9947, pp.290--299, 2016.
[ paper ][ slides ]
- 一杉裕志、「スパース符号化により画像の分散表現を獲得する2層ベイジアンネット」
人工知能学会全国大会, 2016.
[ pdf ]
- 一杉裕志
「脳型汎用人工知能実現に向けた課題 - 主に機械学習の観点から -」
第12回全脳アーキテクチャ勉強会 パネルディスカッション資料
[ slides ]
- 一杉裕志、「脳は単純か複雑か?脳のような人工知能は作れるのか?」
ミーティング用資料
[ pdf ]
- 一杉裕志
「大脳皮質とベイジアンネット」
第1回 産総研 人工知能セミナー 資料
[ slides ]
- 一杉裕志、「人間のようなAI: 本質的危険性と安全性」
WIRED A.I. 2015 カンファレンス 講演資料
[ pdf ]
- 一杉裕志、中田秀基 「ヒト大脳皮質の機能を再現する計算機アーキテクチャに関する予備的考察」
ミーティング用資料
[ pdf ]
- 一杉裕志
「全脳アーキテクチャと大脳皮質モデルBESOM の実用化研究の構想」
第10回 全脳アーキテクチャ勉強会 説明資料 [ slide ]
- Yuuji Ichisugi and Naoto Takahashi:
An Efficient Recognition Algorithm for Restricted Bayesian Networks,
2015 International Joint Conference on Neural Networks (IJCNN 2015).
[ paper ]
- 一杉裕志、「制限付きベイジアンネット BESOM の正則化の一手法」
第96回人工知能基本問題研究会(SIG-FPAI), 2015.
[ pdf ] [ slide ]
- 一杉裕志、「ヒト型 AI は人類にどのような影響を与え得るか」
人工知能:人工知能学会誌 29(5), 507-514, 2014. [ paper ]
- 一杉裕志、「全脳アーキテクチャの解明を足がかりとした汎用人工知能の実現可能性」
2014年度 人工知能学会全国大会, 2014.
[ pdf ]
- 一杉裕志、高橋直人、「制限付きベイジアンネット BESOM における認識アルゴリズム OOBP」
2014年度 人工知能学会全国大会, 2014.
[ pdf ] [ slide ]
- 「BESOM Ver.3.0 β版のアルゴリズム」 2013-07-17版
[ 20130717algorithm.pdf ]
- 研究構想説明資料:「脳における思考の役割とその実現機構についての考察」
[ 20130514serotonin.pdf ]
- 研究構想説明資料:「海馬と大脳皮質感覚連合野の相互連携のモデルの構想」
[ 20130513hippo.pdf ]
- 言語処理学会第19回年次大会(NLP2013) 招待講演
「脳は計算機科学者に解明されるのを待っている −機械学習器としての脳−」
講演スライド: [ 2013nlp.pdf ]
- 研究構想説明資料:「BESOMを使った言語野モデルの構想」
[ 201212language.pdf ]
- Yuuji Ichisugi,
A Computational Model of Motor Areas Based on Bayesian Networks and Most Probable Explanations,
In Proc. of The International Conference on Artificial Neural Networks (ICANN 2012),
Part I, LNCS 7552, pp.726--733, 2012.
[ paper ]
- 所内ゼミ資料:「論文紹介:「皮質の自発活動が内部モデルの環境への最適化の証拠を明らかにする」」
[ 201206prior.pdf ]
- 一杉裕志、「大脳皮質のアルゴリズムBESOM Ver.2.0」
産業技術総合研究所テクニカルレポート AIST11-J00009, Sep 2011.
[ AIST11-J00009.pdf ]
- 一杉裕志, 解説:大脳皮質とベイジアンネット、
日本ロボット学会誌 Vol.29 No.5, pp.412--415, 2011. [ pdf ]
(この pdf ファイルは日本ロボット学会の著作物です。公開は日本ロボット学会著作権規程に従っています。)
- Yuuji Ichisugi,
"Recognition Model of Cerebral Cortex based on Approximate Belief Revision Algorithm",
In Proc. of The 2011 International Joint Conference on Neural Networks (IJCNN 2011), pp.386--391, 2011.
[ paper ]
-
Yuuji Ichisugi, Haruo Hosoya:
"Computational Model of the Cerebral Cortex that Performs Sparse Coding Using a Bayesian Network and Self-Organizing Maps",
In Proc. of 17th International Conference on Neural Information Processing
(ICONIP 2010), Part I, LNCS 6443, pp.33--40, Nov 2010.
[ paper ] [ slides ]
- 解説:「belief revision アルゴリズムとは」
[ 20100325what-is-br.pdf ]
- 一杉裕志、細谷晴夫:
「BESOM を用いたスパース符号化の一手法」、
電子情報通信学会技術研究報告 ニューロコンピューティング,
Vol.109 No.461, pp.345--350, Mar 2010.
- 一杉裕志、城 真範:
「自己組織化マップと独立成分分析を用いた2層BESOMのパラメタ学習の一手法」
人工知能学会 第75回 人工知能基本問題研究会 (SIG-FPAI), Nov 2009.
- 解説:「確率伝播アルゴリズムとは」
[ 20100226what-is-bp.pdf ]
- 解説:「脳とベイジアンネットFAQ」
[ brain-bayesnet-faq.html ]
- 一杉裕志、「大脳皮質のアルゴリズムBESOM Ver.1.0」
産業技術総合研究所テクニカルレポート AIST09-J00006, Sep 2009.
[ AIST09-J00006.pdf ]
- 解説:「ベイジアンネットとは」
[ 20090612MPE.pdf ]
- 所内ゼミ資料:「総説論文「注意の正規化モデル」の紹介」
[ 20090408norm.pdf ]
- 一杉裕志、「大脳皮質神経回路が行うベイジアンネット構造学習に関する考察」
人工知能学会 第72回 人工知能基本問題研究会 (SIG-FPAI), Nov 2008.
[ 20081023fpai.pdf ]
- 一杉裕志、「ベイジアンネット、SOM、ICA、強化学習を組み合わせた大脳皮質の神経回路モデル」
第22回人工知能学会全国大会, June 2008.
[ 100060.pdf ]
- 一杉裕志、「脳の情報処理原理の解明状況」
産業技術総合研究所テクニカルレポート AIST07-J00012, Mar 2008.
[ AIST07-J00012.pdf ]
- 研究構想説明資料:「運動細胞のモデルの構想」
[ 20071016motor-neuron.pdf ]
- 研究構想説明資料:「シャンデリア細胞とアンチヘブ則に関する仮説の構想」
[ 20071016anti-hebb.pdf ]
- 一杉裕志、「大脳皮質の主要な解剖学的特徴と一致する BESOM モデル」,
Neuro2007, Sep 2007.
- 一杉裕志、「大脳皮質の神経回路モデルを用いた脳の機能の計算機上での再現の構想」,
日本認知科学会第24回大会, Sep 2007.
[ 20070903P2-27.pdf ]
- 研究構想説明資料:「BESOMモデルへの時系列学習機構の追加の構想」
[ 20070724recurrent.pdf ]
- 研究構想説明資料:「視覚刺激の座標変換を行う神経回路を独立成分分析により自己組織化するモデルの構想」
[ 20070403coodinates.pdf ]
- 研究構想説明資料:「選択的注意の機構の計算機上での再現と、前部帯状回の計算論的モデルの構想」
[ 20060817attention.pdf ]
- 研究構想説明資料:「総積演算を実現する頑健な神経回路モデルと、覚醒度との関係に関する着想」
[ 20060818product.pdf ] 追記: [ 20070403product-ps.pdf ]
- 「階層的な生成モデルの自己組織化を目的とする神経回路による独立成分分析の一手法」、
ニューロコンピューティング研究会, Mar 2007. 発表スライド:
[ 20070316ica.pdf ]
- Yuuji ICHISUGI, "The cerebral cortex model that self-organizes conditional probability tables and executes belief propagation",
In proc. of International Joint Conference on Neural Networks (IJCNN2007), Aug 2007.
[ paper ][ slides ]
論文ストーリーメモ: [ 20070109besom.pdf ]
- 一杉裕志、「確率伝播法と条件付確率表の自己組織化を行う大脳皮質モデル」、
ニューロコンピューティング研究会, Oct 2006. 発表スライド:
[ 20061011besom.pdf ]
- 一杉裕志、「SOMのネットワークによる前頭葉の計算論的モデルの構想」、
日本神経回路学会 第16回全国大会, Sep 2006.
[ jnns2006.pdf ]
- 一杉裕志、「SOMのネットワークによる前頭葉の計算論的モデルの構想」、
脳と心のメカニズム第7回夏のワークショップ
ポスター: [ 20060824.pdf ]
- 一杉裕志、「国立研究所の研究者として」
1993年電総研入所時の作文 [ 1993etl.jpg ]
研究の方法論
・ 人工知能研究で得られた知能に関する知見を踏まえ、機械学習の要素技術を駆使し、
・ 認知科学の成果の中から特徴的な脳の機能(外部仕様)を洗い出し、
・ 神経科学の成果からアーキテクチャ設計のヒントを得つつ、
・ ソフトウエア工学研究で得られたシステム構築の方法論にしたがって、
脳の機能を再現するプログラムを作ろうとしています。
研究内容を少し詳しく言うと、
・ 自己組織化マップとベイジアンネットと独立成分分析とを融合した、
クラスタリング・ベイズ推定・連想記憶・関数近似を行う機械学習器と、
階層型マルチエージェント強化学習の機構により、
・ 人間の脳が有するパターン認識、選択的注意、行動獲得、概念獲得、思考といった機能を再現させる、
・ 大脳皮質と大脳基底核を中心とした脳の計算論的モデルの構築と、
・ そのモデルの計算機上でのスケーラブルで大規模並列化が容易でリアルタイム処理も可能な効率的アルゴリズムによる実現を、
目指しています。
これまでの経緯
2005年度より、これまでのプログラミング言語関係の研究を中断し、
以前から興味を持っていた脳の研究を始めました。
「計算機の情報処理方法と脳の情報処理方法の間には深い谷がある」
というのは今日では神話にすぎないと思っています。
神経科学の最新の知見をざっと眺めてみたところでは、
脳はとても普通の情報処理装置に見えます。
最も端的な例は、 Schultz (1997) の 「大脳基底核のドーパミンニューロンが
TD誤差信号を出力している」という発見でしょう。
脳に関して確定的なことはほとんど分かっていませんが、
確定的でなくてよければ膨大なことが分かっています。
計算機科学のセンスのある人間が脳科学関連分野の基礎知識を一通り普通に勉強すれば、
別に大天才でなくても計算機と脳の間のギャップは埋められそうです。
人工知能、機械学習、認知科学、神経科学の基礎知識を勉強することで得た数多くの有望な着想を、
できるだけ早く世に出して行きたいと思います。
過去のプロジェクト(プログラミング言語関係)
連絡先
http://staff.aist.go.jp/y-ichisugi/
産業技術総合研究所のページ