自然の造形

産総研
last updated 2023.9.22

世の中には変わった造形の石や崖が数多く見られます。このページでは、そんな石や崖の表情を紹介します。

自然の造形

帆立岩<br>
            火山礫凝灰岩が浸食されてできた造形です。解説によれば引き波の浸食作用とのことで、削られているのが陸側です。<br>
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            Locality : 石川県珠洲市真浦町<br> 恋路海岸の凝灰岩<br>
            火砕流堆積物が波・風に侵食されてできた造形です。凝灰岩類は人間が石材によく利用しているように、加工しやすく白い色がきれいなので、しばしば自然もいろいろな彫刻をほどこします。<br>
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            Locality : 石川県内浦町恋路<br> 見付島 (別名「軍艦島」)<br>
            今まさに入港してきた大型船といった風情の見付島です(座礁しているという意見も)。このような侵食地形は堅い岩盤が波に耐えて残ったものと思いがちですが、これは珪藻土という軟質の岩石からできています。波穏やかな飯田湾だからこそでしょうか。<br>
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            Locality : 石川県珠洲市見付<br> 穴通磯<br>
            傾斜した地層が浸食されて、小舟がくぐれるほどの穴が開いています。<br>
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            Locality : 岩手県大船渡市穴通磯<br> 玄武洞<br>
            160万年前に活動した玄武岩が冷却されるときに収縮してできた節理です。そもそも玄武岩という名前はこの「玄武洞に産する石」から由来しているそうです。<br>
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            Locality : 兵庫県豊岡市玄武洞<br> 玄武洞<br>
            玄武洞のクローズアップです。まるでだるま落としのようです。<br>
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            Locality : 兵庫県豊岡市玄武洞<br> 千体地蔵<br>
            日本海に面した岩倉山の遊歩道入り口に「千体地蔵」の看板が。流紋岩の険しい山を登ると、写真のようなお地蔵さまが迎えてくれました。これは流紋岩が冷却されるときに収縮してできた節理が、さらに風化を受けて、丸みをおびて生まれた造形です。<br>
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            Locality : 石川県輪島市曽々木<br> 木目様ラミナ<br>
            リズミカルに繰り返す砂岩泥岩互層が、浸食されてできた造形です。<br>
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            Locality : 岩手県大船渡市外口<br> 浄土松公園のキノコ岩<br>
            松の生い茂る丘陵を越えると,突然現れるのがこの岩です。軽石に富む凝灰岩からできており,風化によってこのような形になったといわれています。<br>
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            Locality : 福島県郡山市浄土松公園<br> 浄土松公園のキノコ岩<br>
            ここは公園としての整備が進み,訪れやすくなっています。まるで「7人の小人」が出て来そうです。<br>
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            Locality : 福島県郡山市浄土松公園<br> 馬の背洞門<br>
            波の浸食作用による造形です。石橋を叩いて渡るという言葉に実感がわきます。<br>
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            Locality : 神奈川県三浦市城ヶ島<br> 馬の背洞門<br>
            馬の背洞門を上から見たところです。立て看板で通行禁止となっていました。<br>
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            Locality : 神奈川県三浦市城ヶ島<br> 城ヶ島の波食棚<br>
            隆起して地表に現れた波食棚です。洗濯板 (死語?) 状の地層がきれいです。<br>
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            Locality : 神奈川県三浦市城ヶ島<br> コンクリーション<br>
            成層した砂岩の中に並んだ大型の球体3つ。大型の卵の化石(!)ではなく,ノジュールまたはコンクリーションというものです。これは地層が堆積したときからあったものではなく,堆積物が石に変わる過程で特定の成分が濃集して形成されます。通常,周辺の石よりも硬く,このように露頭面から飛び出した産状をしています。しばしば中心に化石が入っているのですが,この写真のものは確かめませんでした。(中心にたどり着くのはかなり大変でしょうね)<br>
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            Locality : 高知県土佐清水市竜串<br> 花崗閃緑岩の風化核<br>
            林道にゴロリと鎮座する丸い石。花崗閃緑岩の風化核です。梅雨の雨に洗われて左側の露頭から転がり出てしまったようです。<br>
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            Locality : 福井県敦賀市横浜林道<br> 名草の巨石群<br>
            花崗岩の風化が進み、コアストーンと呼ばれる固い部分だけが残された独特の地形です。国の天然記念物に指定されています。<br>
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            Locality : 栃木県足利市名草<br> 牛が首のスランプ構造<br>
            海岸の崖にみられる大規模なスランプ構造です。地層が完全にブロック化しているのがわかります。<br>
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            Locality : 新潟県柏崎市牛が首<br> 折れ石<br>
            ロウソクのような岩ですが,明治29年の三陸大津波のときに,上部約2mが折れてしまったので折石(おれいし)というそうです。<br>
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            Locality : 宮城県唐桑町巨釜<br> 鬼怒川の凝灰岩<br>
            陸に上がるトドの群れ (?) のような形の,左右非対称の岩です。火山礫凝灰岩が鬼怒川の流水 (右から左) に浸食されてできました。<br>
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            Locality : 栃木県塩谷町道谷原<br> キャベツ<br>
            火山台地の上に,うねのように並ぶ丸い岩塊。浅間山から噴出した火砕流堆積物の縁にあたり、大型の岩塊が堤防のように堆積したものと考えられています。その形態から「キャベツ」というニックネームをもらいました。<br>
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            Locality : 群馬県嬬恋村浅間山<br> 戦車<br>
            杉林の斜面に頓挫する戦車のような石。風化して取り残された溶結凝灰岩の柱状節理が、横倒しになってこんな形になりました。<br>
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            Locality : 兵庫県神崎町越知<br> ガマ石<br>
            はんれい岩でできた筑波山の山頂付近にある石です。筑波山のシンボルともなっているガマガエルに似ているというので、ガマ石と呼ばれています。かなり大きな口ですね。<br>
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            Locality : 茨城県つくば市筑波山<br> 大仏石<br>
            神域である筑波山にも大仏様がいらっしゃいます。はんれい岩が風化してこのような造形になりました。大きさも形も、大仏様によく似ています。<br>
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            Locality : 茨城県つくば市筑波山<br> ヒキガエル<br>
            撮った写真を後で見たときに、何が写っているのかわからないことがあります。この写真も、なぜこんなヒキガエルがいるところを写したのかわかりませんでした。でも、よく見ると…<br>
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            Locality : 福井県大野市雲川<br> 標本館パンフレット<br>
            かつて地質標本館の入り口で配布されていたパンフレットにも本ホームページの写真が掲載されていました。<br>
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            Locality : 茨城県つくば市地質標本館<br>

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