篠山地域の地質

産総研
last updated 2023.9.22

 篠山地域には1989~1992年の期間、調査に訪れ、地質図幅は1993年に出版されました。主に前期白亜紀 (* 注) の篠山層群と、後期白亜紀の有馬層群の一部の調査を担当しました。
 篠山は入所初年度、新人の年から3年間で担当することになった、思い出の地です。卒論しか経験のない野外地質初心者でしたので足でしか勝負できないと考え、無我夢中でとにかく歩き回りました。今から思うとやり残したことも多いですが、近年もこの地域の研究が進展しているのを見ると、やはりうれしいです。

5万分の1地質図「篠山」
5万分の1地質図「篠山」。画像をクリックすると、産総研地質調査総合センターのページにある5万分の1地質図「篠山」の高精細画像 (200 dpi) が開きます。
篠山層群

 篠山層群は、今では「丹波竜」をはじめとする恐竜化石の産出層としてすっかり有名になりました。私も調査当時は各所の地層をくまなく調べ歩いたのですが、残念ながら化石を見つけることはなく、恐竜発見の手柄を逃すことになりました。

 * 近年の研究の結果、篠山層群の年代論は大きく改訂されています。地質図では主に前期白亜紀に区分されていますが、現在ではちょうど前期から後期の境界に位置づけられています (林 慶一ほか, 2010)。

有馬層群

有馬層群は、篠山層群を不整合に覆う後期白亜紀の珪長質火山岩類です。このような珪長質火山岩類は、近畿から中国地方にかけて広大な分布を示します。近年ではこれら珪長質火山岩類における層群単位の層序区分を行うことに疑問が投げかけられるようになり、定義の曖昧な有馬層群という呼び方はあまり使われない傾向にあります (例えば吉川ほか, 2005)。

写真集

 調査中に撮影した写真類です。

篠山層群のブロック化した礫岩<br>
            堆積後間もない時期に形成されたスランプ変形構造と考えられます。<br>
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            Locality : 丹波市山南町下滝の篠山川河床<br> 篠山層群のブロック化した礫岩<br>
            堆積後間もない時期に形成されたスランプ変形構造と考えられます。<br>
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            Locality : 丹波市山南町下滝の篠山川河床<br> 篠山層群のブロック化した礫岩<br>
            堆積後間もない時期に形成されたスランプ変形構造と考えられます。画面中央付近にすべり面があり、その上下で地層の傾きが異なります。<br>
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            Locality : 丹波市山南町下滝の篠山川河床<br> 篠山層群の流紋岩凝灰岩<br>
            篠山層群の最下部に挟在する流紋岩凝灰岩 (白色部)。<br>
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            Locality : 篠山市川代の篠山川河床<br> パイプ様構造<br>
            有馬層群鴨川層の流紋岩ガラス質凝灰岩に見られる吹き抜けパイプ様の構造。<br>
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            Locality : 丹波市山南町金屋<br> パイプ様構造<br>
            有馬層群鴨川層の流紋岩ガラス質凝灰岩に見られる吹き抜けパイプ様の構造のクローズアップ。<br>
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            Locality : 丹波市山南町金屋<br> 溶結凝灰岩の板状節理<br>
            有馬層群平木溶結凝灰岩上部の黒雲母流紋岩溶結ガラス質結晶凝灰岩に見られる板状節理。<br>
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            Locality : 丹波市柏原町石戸<br> 貫入岩 (岩脈)<br>
            篠山層群の砂岩泥岩互層に貫入する岩脈。<br>
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            Locality : 丹波市山南町下滝の篠山川河床<br>

参考資料

 5万分の1「篠山」図幅のファイルダウンロードはこちらです。ぜひ次の研究に生かしてください。

CC BY 4.0 国際