宇都宮地域では2005~2007年の期間に調査を行い、地質図幅は2010年に出版されました。主に後期白亜紀の火山岩類と新第三紀の火山岩・堆積岩の調査を担当しました。
実は宇都宮地域は大学の卒論で層序の研究を行ったフィールドです。さらにさかのぼれば、幾つかの露頭は中学時代から観察していたところです。地質図幅にはこれらの成果も盛り込まれています。
後期白亜紀の火山岩類は、図郭の北部にある山地に分布しています。これより北西に当たる日光-足尾山地には、さらに広範に分布しており、地表ではそちらが分布の中心です。このような珪長質火山岩類は、近畿から中国地方、中部地方で広大な分布を示します。宇都宮地域の後期白亜紀火山岩類は、新第三紀の火山活動の影響で変質が進み、研究例はほとんどありません。近年、岩石学的な研究により、化学組成の特徴が報告されています (西川ほか, 2015)。
新第三紀の火山岩・堆積岩は、この地域の山地・丘陵地に広く分布しています。また、平野の地下にも伏在しているのがボーリングのデータからわかっています。古くから調査・研究はされていますが、都市部に近いこともあって露頭があまりないこと、岩相変化が激しいことなどから、その全容が完全に解明されているわけではありません。この地域はローム層がとても厚く、少しくらい地表を掘ったくらいでは岩盤が現れないことも、露頭の少ない一因になっています。
調査中に撮影した写真類です。
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