三宅島ヘリ観察報告:2002.07.12

by Isoji MIYAGI @ Geological Survey of Japan, AIST

噴火対応

筆者によるヘリ観測報告

三宅島top↑

2000年

10月10, 16, 19日, 12月27日;

2001年

1月15, 29日, 2月12日, 3月5, 26日, 4月9日, 5月14日, 7月20, 23, 27日, 11月21日;

2002年

1月23日; 3月13日; 7月12日; 8月29日; 10月2日; 11月13日;

2003年

2月25日; 4月23日; 9月16日; 10月30日;

2004年

1月14日; 4月8日; 7月27日; 10月14日;

2005年

8月19日;

(宣伝 ^_^);
火山研究解説集:


観察・報告:宮城磯治 (産総研・国際部門国際地質協力室)
同乗者:地震研 金子さん,気象庁 中堀さん,宮下さん
ヘリ:東京消防庁・つばめ (クルー4名)


画像のスライドショーはこちら→ Slide Show



目次

概要:

行程:

 つくば発 5:52,東京ヘリポート着 7:15,東京ヘリポート離陸 9:05,火口観測開始 9:40,観測終了 10:25,神津島着陸 10:35,給油・昼食,COSPEC隊 神津島離陸 12:40(宮城・金子は神津島で待機),COSPEC隊 神津島着陸 14:03,給油,神津島離陸 14:40,逗子 15:10,東京ヘリポート着陸 15:30.

観測内容:

 視程は比較的良く,新島東方海上から三宅島と噴煙が目視できた.白色噴煙.高さは山頂から200m程度で,ほぼ一定している.少なくとも火口観察時間内には,単発的に上昇するプリュームは発生しなかった.噴煙な西風に流され,水蒸気を主とする白色煙は島内で消滅し,一方,青白色ガスはサタドー岬を中心に,標高100〜500m程度を,三池浜北端〜ひょうたん山の幅で,延々と流れていた.

 カルデラ南部の火孔群の上方は常に白煙があり,火孔を直接目視することは困難だったが,顕著な変化はない模様.すおう穴下方の斜面は地形が新しそうで,単調に崩落が続いている模様.火口内の池は,先日(7月9日)の台風のためか,面積が拡大していた.これまで赤黒かった西側の池は白緑色を主体とする色に変化し,池東がわの池ほど赤みが強い.

 気象庁によれば,赤外カメラによる火孔の観測最高温度は,249℃.また,COSPECは三宅島東方海上火口から5マイルでライントラバースを行なった.観測時,海面300フィートは南南西の風5m/s,上空3500フィートは西の風17m/s.8000〜12000 ton/day.その前の観測が3〜5千トンだったので,多め.「揺らぎながら減少」の範囲内か.


三宅島まで

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:お世話になったへり. [1]

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[2] [3]

:離陸後すぐ東京湾内へ.

高度200mを240km/hで南下.視程は可〜良.

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:左:富津岬, [4] 右:横須賀. [5]


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:大島の東を通過. [6]


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天気は良いが,先日(7/9)の台風の名残か,風はある.[7]


三宅島

噴煙遠望

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:新島の東付近から,三宅島と噴煙を確認. [8]

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[9] [10]

:北からみた噴煙.

西風により,東に流れている.

相変わらず多量の火山ガスが放出されているが,一頃のような猛烈な量ではない.

噴煙到達高度は,標高900m程度.

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[11] [12]

:噴煙.20分後.

陥没カルデラ内

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[13] [14] [15]

:陥没カルデラ内を北から見る.

多量の噴煙のため,火孔の様子は目視できず.

カルデラ底の池は,面積を拡大させていた.東がわほど赤みが強い.

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:熱赤外カメラを用いた火孔温度観測.気象庁中堀氏. [16]

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[17] [18] [19]

:陥没カルデラ内.

火山ガスが滞留し,視程が悪い.

陥没カルデラ外周

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[20] [21] [22]

:北東山麓

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:すおう穴の西側に,亀裂を確認. [23]

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[24] [25] [26]

:北西〜西のリム.

カルデラリムの内側にも雨裂がみられた(左).


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[27] [28] [29]

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[30] [31] [32]

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[33] [34]

:陥没カルデラ外周「a-i位まで」

※後日,画面中にインデックスを入れる予定です.

参考:http://staff.aist.go.jp/a.tomiya/myk/caldera_rim.html


植生回復の様子

植生の回復は地域差が大きい.

概して,卓越風の風下および標高の高い部分は,ダメージが大きいようです.

以下時計まわりに:

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[35] [36] [37]

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[38] [39] [40]

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[41] [42] [43]

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[44] [45]

三池→空港→坪田→村営牧場

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[46] [47]

:植生,村営牧場と上流部.

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[48] [49]

:植生,伊ケ谷と上流部

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[50] [51]

:植生,伊豆と上流部

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[52] [53] [54]

:植生,海岸付近の様子.伊豆,三宅支庁,大久保浜.

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:植生,神着と上流部

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[58] [59]

:植生,神着.

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[60] [61]

:火口観測終了.三宅島を離脱して,神津島に向かう.

左ひざをへりのこの金具に打ち付け,悶絶.

神津島

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[62] [63]

:給油と昼食後,COSPEC観測のため,再び神津島を離陸(宮城・金子は神津島空港で待機).

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[64] [65]

:COSPEC観測終了.

給油後,全員を乗せて神津島を離陸.東京ヘリポートに向かう.

午後になって雲がでてきた.COSPEC観測はぎりぎり間に合った(中堀氏談).

帰投

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[66] [67]

:今日は警視庁コース(逗子・江ノ島付近から上陸する).

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[68] [69]

:東京へリポートに到着.

ヘリクルーの皆さま,ありがとうございました.

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