三宅島ヘリ観察報告:2001.11.21
by Isoji MIYAGI @ Geological Survey of Japan, AIST
- 観察・報告:宮城磯治 (産総研・深部地質環境研究センター)
- 同乗者:東大地震研=古屋・吉本.気象庁=飯野
- ヘリ:海上保安庁やしま搭載機MH684(ベル212)
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目次 |
概要:
- ☆行程☆
・羽田空港離陸9時40分,新島着陸10時30分,新島離陸11時7分,三宅島着陸&離陸11時21分(古屋氏降りる).
・三宅島観察11時23分〜12時5分,COSPEC観測12時6分〜12時30分,三宅島着陸&離陸12時37分〜38分.
・新島着陸12時54分,新島離陸13時49分,羽田空港着陸14時43分.
- ☆噴煙☆
白色噴煙.かなり濃密で,水蒸気が多い印象を受けた.2001年7月27日に比べて,勢いは若干強め.観察中はやや脈動しながら海抜1700mかそれ以上の高度をずっと維持.白煙は島から出てもなかなか消えない.白煙の風下側にはかなり濃密な青白いガスを確認,一部は山腹を流れ下り,美茂井方面(北東〜北北東)に拡散しながら流れる.
- ☆火口内など☆
標高1000m程度の雲の隙間から覗くかたちで観察.南壁からやや遠い主火口から濃密な白煙が出ている.周辺の噴気孔列からの白煙は2月頃とほぼ同程度.崖錐は,7月に比べて一層発達し,中央の平坦面が狭くなった印象を受けた.噴気に近い西側の水たまりは赤錆色〜暗赤色,遠い北側のは明るい緑灰色,やや中央の小さなものは灰色〜緑灰色,すおう穴は明るい緑灰色〜水色.観察高度が高かった(1500m程度)ために,カルデラ縁,山腹,都道沿いの様子は不明.
- ☆COSPEC☆
島の北東側にて,円弧状および直線上にトラバース.
- ☆熱赤外観測☆
地調のカメラは硫黄島に出張中.気象庁・飯野氏が観測.最高温度暫定値は157℃(飯野氏,談).噴気孔直上の白煙が多量で,しかもかすみの中の遠方からの測定だったので,大幅に過小評価していると思われる.
三宅島まで
都内〜洋上
今回の観測は海上保安庁の協力による.
[1]
出発地は羽田飛行場.格納庫からモノレールがみえる.
COSPEC
お世話になったヘリ.
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着陸およびタキシングの動画はこちら
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離陸直後の都内.
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羽田空港を振り返る.羽田空港離陸9時40分.
洋上から見る富士山.下のほうはかすんで見えない.
伊豆大島を通過(10時12分).
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新島着陸10時30分,給油.
ベル212の二枚羽根はシーソーのように動く.風に悪戯されないようヒモで固定.なるほど.
新島離陸11時7分.いつもなら三宅島が前方にみえるのだが,今日は視程が悪い.
三宅島
三宅島着陸&離陸11時21分(古屋氏降りる).三宅島観察11時23分〜12時5分,
噴煙
噴煙はモクモクわきあがる.白色,濃密で,水蒸気が多い印象. [17]
プリューム
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プリューム(1分後)
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プリューム(さらに1分後)
標高1000mより下のほうは特にかすみがつよい.
プリュームと,たなびく青白いミスト.風は右から左に向かってながれる.
カルデラ内
赤外線カメラで火口内を覗く.
コンディションはかなり悪い.
一瞬雲が晴れる.肉眼ではよくみえた.
[29]
南壁からやや遠い主火口から濃密な白煙が出ている.周辺の噴気孔列からの白煙は2月頃とほぼ同程度.崖錐は,7月に比べて一層発達し,中央の平坦面が狭くなった印象を受けた.噴気に近い西側の水たまりは赤錆色〜暗赤色,遠い北側のは明るい緑灰色,やや中央の小さなものは灰色〜緑灰色,すおう穴は明るい緑灰色〜水色.
低空の雲やカスミのため,山麓や都道沿いはよく観察できなかった.
COSPEC
ここで火口観測を打ち切り,COSPEC観測(12時6分〜12時30分)に移る.北東にたなびくこの噴煙の下を,これから横切る.風は左から右にながれている.
左:観測打ち合わせ完了.
高度,コース,速度,座標などをヘリのクルーと連絡しあう.
[36]
右:COSPECの採光窓をヘリの外に出したところ., [37]
COSPEC測定中にみた三宅島.
持参したGPS.11時32分40秒とある.
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デジカメの時刻(画像ファイル名を参照下さい)は7秒遅れ.
GPS測位データは[41]こちら (QuickTimeMovie;944k).
北側からみた三宅島.
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噴煙の下(左側)はガスのためオレンジがかっている.
三宅島着陸&離陸
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12時37分〜38分.地震研・古屋氏が乗る.
帰投
再び新島に着陸(12時54分;左). [44]
昼食.新島離陸(13時49分;右). [45]
伊豆大島の東海上を通過.やはり今日はかすみが多い. [46]
ベイブリッジを通過(左).
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まもなく羽田空港にアプローチ(右).
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おつかれさまでした.
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海上保安庁ヘリクルーの皆様,ありがとうございました.