三宅島ヘリ観察報告: 2002年11月13日

by Isoji MIYAGI @ Geological Survey of Japan, AIST

噴火対応

筆者によるヘリ観測報告

三宅島top↑

2000年

10月10, 16, 19日, 12月27日;

2001年

1月15, 29日, 2月12日, 3月5, 26日, 4月9日, 5月14日, 7月20, 23, 27日, 11月21日;

2002年

1月23日; 3月13日; 7月12日; 8月29日; 10月2日; 11月13日;

2003年

2月25日; 4月23日; 9月16日; 10月30日;

2004年

1月14日; 4月8日; 7月27日; 10月14日;

2005年

8月19日;

(宣伝 ^_^);
火山研究解説集:


観察・報告: 宮城磯治 (産総研・国際部門・国際地質協力室)
同乗者: 古屋さん(地震研), 中堀さん&大久保さん (気象庁)
ヘリ: 警視庁 おおぞら2号


画像のスライドショーはこちら→ Slide Show




目次

概要:

天候:

冬型の快晴.強い西風(上空3000ftは風速46kt, 風向280度).


噴煙:

白色で,高度は山頂のカルデラリムとほぼ同程度.明らかに量が少ない.


陥没カルデラ内:

強風時は陥没カルデラ内に濃い火山ガスがたちこめる傾向があったが,今回は噴煙の量が少ないために,カルデラ内の視程は比較的良好であった.噴煙量は,以前と比較して主火口の少ないが,主火口周辺の割れ目等では同程度.熱赤外線カメラで計測された主火口内の温度は212℃,但しこれは上空5000ftからなので,過小評価の可能性あり(気象庁 中堀さん 談).

火山ガス:

以前と比べて,希薄である.山腹〜山麓を流れ下っていた青白いガスは,今回は確認できず.風下側の沿岸を高度130-150mでCOSPEC観測中も,今回はSO2臭を感じず.

山麓周辺部:

特に変化なし.


銀塩カメラによる写真はこちらです→ [1]


三宅島まで

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警視庁航空隊の玄関前. [2] COSPECの調整をする気象庁の中堀さん


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お世話になったヘリ [3] 警視庁航空隊のおおぞら2号 AS332L1型

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[4] [5]

9:02エンジン始動.9:10 takeoff

離陸直後の都内.視程は良好.

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[6] [7]

9:45 伊豆大島の東海上を通過.

海面には白波が多数.

三宅島

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[8] [9]

10:17 三宅島空港(三宅中学ヘリポートではなく)に着陸.

重力測定データ回収のため,東大地震研の古屋さんが降りる.

コスペック受光部を機外に出す.

すぐに離陸.

火山ガス観測

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[10] [11] [12]

三宅島の東海上にて,COSPEC観測開始.10:32-10:50

手元のGPSによれば,ヘリの速度は80-100km/h,高度は130-150m.

上空3000ftの風は46kt, 280度.300ftの風は30kt, 240度.

本日は強風のため,竹芝桟橋発伊豆七島に向かう東海汽船のジェットフォイルは欠航したとのこと.

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[13] [14] [15]

COSPEC観測中.

普段の観測と異なる点:

今回はH2O臭を全く感じず.

今回は青白い火山ガスが不明瞭で,霞みと区別が困難.

新島

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[16]

COSPEC観測後,11:10に新島空港に着陸.

今回は給油せず.昼食・休憩後,12:28に離陸.

三宅島の火口観測

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[17] [18] [19]

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[20] [21]

強風の場合,これまでの火口観測時には,カルデラ内の空気が撹拌されるために視程が極端に悪化していた.しかし,本日は火山ガスがうすく,中が比較的よく見えた.

主火口から放出される火山ガス量は少ないが,主火口周辺の割れ目等からの放出量はこれまでとほぼ同じ程度.


山腹を流れ下る火山ガス

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[22] [23]

沿岸(阿古〜大路池)上空からみた噴煙.

カルデラリムよりわずかに上昇している程度である.

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ほぼ真横からみた(見えないが)噴煙. [24]

これまで明瞭にみられた青白い火山ガスはほとんど見えない.

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[25] [26]

13:01 三宅島空港に着陸.

帰投

古屋さんが乗る.13:04すぐ離陸.

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[27] [28]

横浜上空

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[29] [30]

14:05 東京ヘリポートに着陸.

ヘリクルーの皆さま,ありがとうございました.

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