三宅島ヘリ観察報告:2002.03.13
by Isoji MIYAGI @ Geological Survey of Japan, AIST
- 観察・報告:宮城磯治 (産総研・深部地質環境研究センター)
- 同乗者:千葉大・津久井さん,気象庁・中堀さん&池田さん
- ヘリ:警視庁ヘリ・おおとり8号(クル−3名)
画像のスライドショーはこちら→ Slide Show
目次 |
概要:
- 行程:
9時17分,東京ヘリポートを離陸,10時11分頃三宅島上空に到達,コスペック開始.10時31分,コスペック観測終了,火口観測開始.10時52分,三宅島上空を離脱.11時11分,神津島空港に着陸,給油.11時36分,離陸.12時35分,東京ヘリポートに着陸.
- 観測内容:
上空1000mの風は北東,15ノット(9時56分頃).白色噴煙がモクモクと上昇.高度(海抜)は平均1200m,時々1500mに到達.南西に流される.島の南部5マイルにてCOSPEC観測を3回行なった(H2S臭あり).
カルデラ北〜南東縁を,4000フィートの高さで2回観察.噴煙は,火口内の南よりの部分から,より多く出ているように見えた.気象庁の熱赤外観測によれば,火口内の最高温度は215℃.ただし,白煙のために温度が過小評価されている可能性が大きい.10時31分ごろ,スオウ穴付近で土埃(茶色)があがっていた.カルデラ内や壁は乾燥している模様.陥没カルデラ内の池の色は,噴煙に近い西側のが赤黒く,それ以外は褐色.
GPSを用いて測定した東京ヘリポート→三宅島→神津島→東京ヘリポートの経路は[1]こちら(QuickTimeMovie).
三宅島まで
9時17分,東京ヘリポートを離陸.
都内上空の視程はやや良好.
富士山も確認できた.
9時33分頃,海岸線を通過.
[6]
9時50分頃大島を通過.
海上の波立ち方にむらがある.
上空約1000mの風は,北東,15ノットであった.
三宅島
火山ガス観測
10時11分頃からコスペック開始.
北東の風により,噴煙は南西に流されている.三本岳付近から南東にむけて,噴煙の下を横切ることに決定.
コスペック観測中の様子.
1回目:10時13分41秒〜15分50秒まで,H2S臭を感じた.
2回目:H2S臭を感じなかった.
3回目:10時25分50秒〜26分5秒まで,ごく短時間H2S臭を感じた.
ヘリが噴煙の下をくぐる様子. [15]
※これは2回目のパス(南東から北西へ移動).左から順に,噴煙通過前,通過中,通過後.
10時31分,コスペック観測終了.
カルデラ内および山麓
三七山〜赤場暁の様子
陥没カルデラ北側外周の様子.
陥没カルデラ内.視程良好.
すおう穴のやや西よりにて,土ぼこりが発生していた.時間とともに土ぼこりは薄れていった.
すおう穴ごしにカルデラ内を見る.
[23]
南南東より,カルデラ内をみる.
1535年の火口のひとつ.水たまりの色はパステルグリーン色.
[27]
陥没カルデラ内の水たまりの色は,火口に近い西側は赤黒く,その他は褐色.すおう穴は見る角度によって変化しているようで,褐色とも緑色とも判断がつかなかった.
三池〜坪田,大路池にかけての植生の様子.
10時52分,三宅島上空を離脱.
神津島
11時11分,神津島空港に着陸.
給油.
11時36分,離陸.
帰投
新島の上空から三宅島を望む.
機内にて,宮城撮影のビデオを気象庁がダビング.
新島空港.
12時12分,本土上空にさしかかる.
[39]
12時35分,東京ヘリポートに着陸.
ヘリクルーの皆様,ありがとうございました.