三宅島ヘリ観察報告: 2004年10月14日

by Isoji MIYAGI @ Geological Survey of Japan, AIST

噴火対応

筆者によるヘリ観測報告

三宅島top↑

2000年

10月10, 16, 19日, 12月27日;

2001年

1月15, 29日, 2月12日, 3月5, 26日, 4月9日, 5月14日, 7月20, 23, 27日, 11月21日;

2002年

1月23日; 3月13日; 7月12日; 8月29日; 10月2日; 11月13日;

2003年

2月25日; 4月23日; 9月16日; 10月30日;

2004年

1月14日; 4月8日; 7月27日; 10月14日;

2005年

8月19日;

(宣伝 ^_^);
火山研究解説集:


観察・報告:宮城磯治 (産総研・深部地質環境研究センター)
同乗者:気象庁の宮下さん&宮越さん
ヘリ:警視庁ヘリ・おおぞら2号(スーパーピューマ)


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目次

概要:

観察時刻:午前11時と午後2時.


天候と雲:三宅島には高度約700mの雲がかかり,高度約1000mの風は

70度20ノット(午前中),高度410mでは90度8ノット(午後)であった.

この雲の隙間から短時間陥没カルデラ内を観察することができた.


噴煙:白色噴煙は標高約1400m(島の高さの約二倍)まで斜め上に上昇し,

拡散し,島を出る前に消滅していた.気象条件のためと思われるが,

白煙の量は以前(7/27, 8/10)の数倍はある.噴煙の脈動の確認は,観察

時間が短かかったために噴気孔の観察からはできなかった.しかし煙の

塊が2〜3個並んでいたことから,間隔は10-20分程度である模様.上昇

した白煙は島の外に出る前に消滅していた.青白い火山ガスは新澪池

方向に山腹を流れ下っていた.風下側海上で火山ガス測定中(COSPEC)

に感じた火山ガスは,普段のH2S臭に加えて,SO2臭も強く感じた.


火口内:多数の噴気孔を有するマウンドは,以下の点が以前(7/27, 8/10)

とは異なった.1,マウンドの中央に池ができており,2,この周囲にあっ

た黄色い物質(硫黄?)の大半が消失していた.3,白色噴煙の量が多いため

(数倍?),噴気孔が隠れがちであった.これらの点を除けば,マウンドに

は顕著な変化は認められなかった.

 陥没カルデラ底には緑色〜赤褐色の池が多数出現していた.池の色は,

上記のマウンドに近いほど緑色で,遠いほど赤味が強くなる傾向があった.

 カルデラ縁においては,新たな崖錐の生成や崩落は認められなかった.


三宅島まで

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[1] [2]

東京ヘリポート離陸直後の都内.

観測日は,秋雨の前線が退いた直後であった.

視程はまあまあ.

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[3] [4]

ヘリコプターは都内→横浜→川崎上空を通り,9時50分に洋上に出た.

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人員輸送のため,伊豆大島に短時間着陸. [5]

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新島までは,南下するにつれ天候が回復した. [6] しかし,三宅島周辺には高度約700mの雲があった.


三宅島

火山ガス観測

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[7] [8]

火山ガス観測(COSPEC)の準備.


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[9] [10]

南西(左写真)北東(右写真)とからみた三宅島.


雲はこの日の風上側である北東側に多く,島の南西側では消滅していることがわかる.


新島

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給油・休憩・昼食のため,新島空港に着陸. [11]


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お世話になったヘリ.新島空港にて. [12]

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13時34分,新島を離陸. [13]


噴煙

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北西上空から見下ろした,噴煙.[14]

モクモク上昇している.

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北西からみた,噴煙. [15]


陥没カルデラ内

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[16] [17]

西方上空よりみた,陥没カルデラ.

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[18] [19]

カルデラ底の池のクローズアップ.

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[20] [21]

噴気孔(マウンド)のクローズアップ.


観測終了

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村営牧場の溜め池.土砂が流入している. [22]


約30分の観測を終え,帰路についた.

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東京ヘリポートにて.[23] ヘリクルーの皆様,どうもありがとうございました.


行程表

06時09分:つくばを出る

08時30分:東京ヘリポートに入る

09時37分:ヘリコプターが離陸

10時10分:伊豆大島に短時間着陸

10時29分:三宅島の上空に到達.ガス観測開始

11時25分:ガス観測終了

11時40分:新島空港に着陸

13時34分:ヘリコプターが離陸

13時40分:三宅島の上空に到達.目視観測開始

14時05分:目視観測終了

14時26-38分:伊豆大島に短時間着陸

15時13分:東京ヘリポートに着陸

17時00分:つくばに到着.写真の現像と,官用車の給油.

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