三宅島ヘリ観察報告:2002.08.29
by Isoji MIYAGI @ Geological Survey of Japan, AIST
- 観察・報告: 宮城磯治 (産総研・国際部門・国際地質協力室)
- 同乗者:金子さん・古屋さん(東大),中堀さん・長谷川さん(気象庁)
- ヘリ:警視庁おおとり4号
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目次 |
概要:
視程は比較的良かったが,雄山山頂部は高度の低い(雲底500m程度)雲に覆われる.危険なので接近および目視は不可能.赤外カメラによる観測も行なえず.
山頂部にかかる雲と白色噴煙の区別が困難.三宅島上方では周囲の海よりもひときわ(500m程度?)雲が高い.その雲の到達高度は,10:00頃に海抜2000m程度(目視&GPS高度計による)であった.南東の風により青白い火山ガスが伊豆地区方面に流されていた.火山ガスは少なくとも上空1600m程度まで拡散している.∵ 10:08頃,島から約10km北北西の1600m地点の機内で硫化水素臭があった.
山麓部には顕著な変化は認められず.
行程:
05:50 つくば発.
07:45 東京ヘリポート着.機長さんと時間&コース打ち合わせ.
09:06 東京ヘリポート離陸.
09:50 三宅島目視.
10:09-10:11 三宅中学ヘリポートに着陸/離陸.古屋氏降りる.
10:33まで 火口観測を試みて上空を旋回.
10:45 新島空港着陸.給油&昼食&休憩.
13:36 新島空港離陸.
12:44 三宅上空に到達.
12:55-13:07 COSPEC.
13:17-13:20 三宅中学ヘリポートに着陸/離陸.古屋氏乗る.
14:10 東京ヘリポート着陸.
16:45 つくば着
三宅島まで
都内
:首都高を走って東京ヘリポートに向かう.にわか雨に見舞われる.[1]
:お世話になったヘリ.警視庁航空隊のおおとり4号(SA365N).[2]
同機のコクピット上方の屋根が一部樹脂製なためか,機内で用いたGPSの受信状態は良好であった.
:離陸直後の東京ヘリポートをかえり(左[3])と都心部(右[4]).
視程はわるくないが,雲がち.
三宅島
:三宅島の山頂部は雲の中.
北東がわから見ている.火山ガスが北北西,画面右に流れている.
:三宅島上空を暫らく旋回したが,ごらんのとおり山頂部の雲が晴れることはなかった.
10:08頃,島から北北西に10km程離れた上空1600mで硫化水素臭を感じた.
噴煙と雲の区別がつかないが,島の中央付近の雲は盛り上がっており,その頭部の標高は約1900mであった.
新島
:新島で燃料補給,昼食,休憩.
SA365Nのテールローターは枠との隙間がわづか5mm程度しかなく,ガスタービンのような精巧な造りに驚いた.
:COSPECによる二酸化硫黄放出量観測のため,再び三宅島に向かう.
[12]
COSPEC
:南東の風により伊豆地区方面にたなびく青白い火山ガス.
この下をヘリでくぐりながら,COSPEC観測をする.
:スライドドアを開けて,COSPEC受光部をヘリの外に出す.[15]
左:噴煙通過前(ヘリは画面左方向に進んでいる).[16]
中:通過中.噴煙のほぼ真下にいる.[17]
右:通過後.[18]
COSPEC観測終了後,三宅中学のヘリポートで古屋氏が乗り,帰路につく.
上空からみる雲.ヘリの影の周囲に色がついている.
帰路
:洗足池.[19]
:東京ヘリポートに到着.[20]
おつかれさまでした.