三宅島ヘリ観察報告:2002.08.29

by Isoji MIYAGI @ Geological Survey of Japan, AIST

噴火対応

筆者によるヘリ観測報告

三宅島top↑

2000年

10月10, 16, 19日, 12月27日;

2001年

1月15, 29日, 2月12日, 3月5, 26日, 4月9日, 5月14日, 7月20, 23, 27日, 11月21日;

2002年

1月23日; 3月13日; 7月12日; 8月29日; 10月2日; 11月13日;

2003年

2月25日; 4月23日; 9月16日; 10月30日;

2004年

1月14日; 4月8日; 7月27日; 10月14日;

2005年

8月19日;

(宣伝 ^_^);
火山研究解説集:


観察・報告: 宮城磯治 (産総研・国際部門・国際地質協力室)
同乗者:金子さん・古屋さん(東大),中堀さん・長谷川さん(気象庁)
ヘリ:警視庁おおとり4号

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目次

概要:

 視程は比較的良かったが,雄山山頂部は高度の低い(雲底500m程度)雲に覆われる.危険なので接近および目視は不可能.赤外カメラによる観測も行なえず.

 山頂部にかかる雲と白色噴煙の区別が困難.三宅島上方では周囲の海よりもひときわ(500m程度?)雲が高い.その雲の到達高度は,10:00頃に海抜2000m程度(目視&GPS高度計による)であった.南東の風により青白い火山ガスが伊豆地区方面に流されていた.火山ガスは少なくとも上空1600m程度まで拡散している.∵ 10:08頃,島から約10km北北西の1600m地点の機内で硫化水素臭があった.

 山麓部には顕著な変化は認められず.

行程: 05:50 つくば発.
07:45 東京ヘリポート着.機長さんと時間&コース打ち合わせ.
09:06 東京ヘリポート離陸.
09:50 三宅島目視.
10:09-10:11 三宅中学ヘリポートに着陸/離陸.古屋氏降りる.
10:33まで 火口観測を試みて上空を旋回.
10:45 新島空港着陸.給油&昼食&休憩.
13:36 新島空港離陸.
12:44 三宅上空に到達.
12:55-13:07 COSPEC.
13:17-13:20 三宅中学ヘリポートに着陸/離陸.古屋氏乗る.
14:10 東京ヘリポート着陸.
16:45 つくば着


三宅島まで

都内

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:首都高を走って東京ヘリポートに向かう.にわか雨に見舞われる.[1]


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:お世話になったヘリ.警視庁航空隊のおおとり4号(SA365N).[2] 同機のコクピット上方の屋根が一部樹脂製なためか,機内で用いたGPSの受信状態は良好であった.

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:離陸直後の東京ヘリポートをかえり(左[3])と都心部(右[4]).

視程はわるくないが,雲がち.

三宅島

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[5] [6]

:三宅島の山頂部は雲の中.

北東がわから見ている.火山ガスが北北西,画面右に流れている.

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[7] [8] [9]

:三宅島上空を暫らく旋回したが,ごらんのとおり山頂部の雲が晴れることはなかった.

10:08頃,島から北北西に10km程離れた上空1600mで硫化水素臭を感じた.

噴煙と雲の区別がつかないが,島の中央付近の雲は盛り上がっており,その頭部の標高は約1900mであった.

新島

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[10] [11]

:新島で燃料補給,昼食,休憩.

SA365Nのテールローターは枠との隙間がわづか5mm程度しかなく,ガスタービンのような精巧な造りに驚いた.

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:COSPECによる二酸化硫黄放出量観測のため,再び三宅島に向かう. [12]

COSPEC

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[13] [14]

:南東の風により伊豆地区方面にたなびく青白い火山ガス.

この下をヘリでくぐりながら,COSPEC観測をする.

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:スライドドアを開けて,COSPEC受光部をヘリの外に出す.[15]


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左:噴煙通過前(ヘリは画面左方向に進んでいる).[16]

中:通過中.噴煙のほぼ真下にいる.[17]

右:通過後.[18]

COSPEC観測終了後,三宅中学のヘリポートで古屋氏が乗り,帰路につく.

上空からみる雲.ヘリの影の周囲に色がついている.

帰路

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:洗足池.[19]


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:東京ヘリポートに到着.[20]


おつかれさまでした.

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