三宅島ヘリ観察報告:2001.07.20

by Isoji MIYAGI @ Geological Survey of Japan, AIST

噴火対応

筆者によるヘリ観測報告

三宅島top↑

2000年

10月10, 16, 19日, 12月27日;

2001年

1月15, 29日, 2月12日, 3月5, 26日, 4月9日, 5月14日, 7月20, 23, 27日, 11月21日;

2002年

1月23日; 3月13日; 7月12日; 8月29日; 10月2日; 11月13日;

2003年

2月25日; 4月23日; 9月16日; 10月30日;

2004年

1月14日; 4月8日; 7月27日; 10月14日;

2005年

8月19日;

(宣伝 ^_^);
火山研究解説集:


観察・報告:宮城磯治 (産総研・地質調査総合センター)
同乗者:東大地震研・下司信夫
ヘリ:東京消防庁・ちどり


画像のスライドショーはこちら→ Slide Show


概要:

行程
東京ヘリポート8時56分離陸,三宅島上空到達は9時40分,離脱は10時35分.
観察時間は55分.洋上の視程良好.館山から噴煙を確認.9時15〜37分までの観察では,噴煙高度はほぼ一定.
噴煙
白色噴煙.勢いはないが,最近にしては量が多い.連続的.海抜2000m位まで立ち上がる.青白いガス(かなり濃密な)は海抜1500m付近にたなびき,山腹を流れ下る様子は確認できない.美茂井〜赤場暁(北東方面)に流れる.白煙は島から出て数kmの場所で消える.
火口内
カルデラ内の視程は良いが(ガスなし),低い雲の隙間から覗く感じで観察.ガスの主な放出場所(主火口内,中央よりやや北部)に変化はなし.熱赤外映像による温度測定を行なった.それによるとこの部分の最高測定値は240℃.主火口の南側の温度は高くない.主火口に近い池(西)は赤黒く,水面面積が半分以下.遠いほう(北) は灰褐色〜緑がかった灰色で,水量に変化はない.北〜北西のカルデラ内壁で少量の土けむり(下司氏発見).カルデラ外縁に顕著な崩落跡はない.山頂部の火山灰はかなり明るい色調で,乾き切っているように見えた.
※熱赤外画像(QuickTime動画) →ir.mov (6.8M)
山腹
18日の降灰(もしあれば北東側に)は,噴煙が邪魔をして観察できなかった.島の東部と山頂部を除き,植生がかなり回復したようだ.村営牧場に,緑色の何かを散いた跡があった.
都道沿い
今回はカルデラ内の観察に時間を多く配分したので,詳しく観察できなかったが,特に大きな変化はなかった.沢ぞいで重機が作業している様子が見えた.




目次

三宅島まで

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↑:お世話になったヘリ.東京消防庁・ちどり [1]

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↑:離陸直後の都内 [2]

視程はあまり良くない.

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↑:東京湾アクアライン「海ほたる」を通過 [3]

夏休みに入ったばかりのためか,レジャー船が多い印象.

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↑:洋上の視程は良好. [4]

館山付近から三宅島の噴煙が確認できた.

「5月14日」の観察時とは異なり,暫く見続けていても噴煙高度はほぼ一定だった.

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↑:大島を通過. [5]


↑:利島,新島.

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[6] [7]

↑:三宅島に近づいてきた.

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↑:天気はよいが,島の頂付近に雲がかかる. [8]

左から神津島,式根島,新島.

三宅島

噴煙

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[9] [10] [11]

↑:白煙の高度は2000m位.風に乗って北東に流れる.島から外に出ると数キロ先で白煙は消えるが,青白い(濃密な)霧が高度1500m位を延々とたなびいていた.

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[12] [13]

↑:やや風上側から見た.

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[14] [15]

↑:西から見た.

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[16]

↑:噴煙はよくみると脈動しているようだ.

小さなプリュームが立て続けに出ていたために,連続的にみえたようだ.

火山ガスの影響

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[17] [18]

↑:植生の回復・ダメージ状況

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[19]

↑:空港から三池浜の様子.

植物(杉?)の色から判断して,三池の上流はダメージが大きそうだ.

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[20]

↑:噴煙は一旦上空に登ってから北東に流されていた.

山腹をなめるように流れ下るガスは見えない.


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[21]

↑:沢沿いに枯れた樹木(杉?)

三宅高校上流である.この旧噴火口内の杉(?)は基本的に緑だが,沢ぞいに赤く変色している.泥流と関係があるのかもしれない.この沢の中で重機が動いているのを見た.

カルデラ内の様子

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[22] [23]

↑:火口内

火口内の視程は良好(ガス充満せずなし)だが,噴煙と,島にかかる低い雲のため,断続的に見えただけだった.

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[24]

↑:このように,すぐ雲に覆われてしまう.

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[25] [26]

↑:主火孔内には,黄色いもの(硫黄)がびっしり付着していた.

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[27]


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[28]


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[29]

↑:噴煙

火口での勢いは弱いが,もくもくと上昇する.


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[30] [31]

↑:カルデラ底

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[32] [33] [34]

↑:北西〜東内壁

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[35] [36] [37]

↑:北西〜南西火口縁

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[38]

↑:観測終了は10時35分.観察時間は55分でした.

帰投

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[39] [40]

↑:富津岬(左)と海ほたる(右)

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[41] [42]

↑:東京ヘリポートに到着.ありがとうございました.

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