水戸市の降雨と桜島の噴火の関連性

by Isoji MIYAGI @ Geological Survey of Japan, AIST

研究副産物



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火山研究解説集:


文責:宮城磯治(産総研・深部地質研究センター)
作成日:平成13年7月13日(金)
デザイン変更:2008年4月29日火曜日


関連ページ


概要

この文書→(雨と噴火の関連性について)において既に報告したとおり,桜島の噴火日と降雨日(や計算機の乱数)について,それらの時間関係を調べたろころ,たとえ噴火と降雨がランダムに起きていたとしても,噴火日と降雨日が一致する確率が高くなることが,示された.

そこでこの研究の応用例として,桜島から十分離れた茨城県水戸市の降雨日と,桜島の噴火の時間関係について同様の検討を行なった.その結果,水戸の降雨日と桜島の噴火日に関しても,日が一致する確率が高いことが示された.


使用したデータ

解析法の詳細については,この文書→(雨と噴火の関連性について)をごらんください.
  1. 桜島の噴火日(er00-01.txt)
    ※もとデータは[1]鹿児島地方気象台の定期火山情報
  2. 水戸の降雨日データ(ra00-01.txt)
    ※もとデータは気象庁のアメダスデータ
    ※2008年4月現在は,気象庁の気象統計情報のページから,過去の気象データが検索できるようになっています.


結果

Ara00-01.txt-er00-01.txtp-21-21.png

全ての降雨日と噴火日に対して,二体相関をとった場合.

噴火日(グラフ横軸中央)の2日前と1〜2日後にピークがあるが,ノイズにうもれがちである.


Aer00-01.txt-s-21-21.png

全ての噴火日に対して,自己相関をとった場合.

一旦噴火がおきると5〜6日噴火が連続する確率がやや高いことが,読みとれる.


Ara00-01.txt-s-21-21.png

全ての水戸の降雨日に対して,自己相関をそった場合.

降雨は2日連続する確率がやや高いこと,3日後に雨があがる確率がやや高いこと,降雨は5〜6日の周期でおきていること,などが読みとれる.

※かなり綺麗な周期性ですね,,.


ra00-01.txt-er00-01.txtp.png

ある噴火日から遡って一番近い降雨日のみについて,噴火日と降雨日の二体相関をとった場合.

降雨と噴火が同時におきる確率が高いことがわかる.

水戸の降雨と桜島の噴火に因果関係があるとは思えません.噴火と降雨がランダムな場合に,それらが同時起きる確率が高くなるという関係([2]この文書 )がそのままあらわれたのだと思われます.


er00-01.txt-s.png

ある噴火日から遡って一番近い噴火日のみについて,噴火日の自己相関をとった場合.


ra00-01.txt-s.png

ある降雨日から遡って一番近い降雨日のみについて,降雨日の自己相関をとった場合.


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