last update 2023.11.17
太田充恒(地質調査総合センター)の研究紹介を行っております
1.希土類元素の地球化学 (作成日:2009.04.12)
鉄マンガン水酸化物と海水間の希土類元素の分配に着目し、実験と理論を組み合わせて新しい希土類元素の地球化学の研究を展開しました。元素分配を通じて、これまで見過ごされてきた化学現象の本質を明らかにすることを目指しました。
2.XAFSを用いた微量元素の局所構造解析 (作成日:2018.10.02)
高エネルギー加速器研究機構のPF放射光を用いて、微量元素の局所構造を解析しています。未だ不明な点の多い鉱物中の微量元素の振る舞いを、化学種・価数・配位構造などの観点からアプローチしようと試みています。
3.地球化学図 (2023.11.17更新)
陸域地球化学図:地球化学図とは、地殻表層の物質分布を表す図のことです。古くは鉱床探査のために用いられてきたのですが、近年の環境問題の関心から、環境評価の基礎情報として用いようという動きが盛んになっています。
土壌の地球化学図:河川堆積物を用いた従来の地球化学図よりもより表層部の情報を与えます。河川堆積物の地球化学図と比較することで、母材(岩石・堆積物)からの土壌生成過程における元素移動・拡散過程の解明や,風送塵や広域火山灰などその場の母材とは異なる起源を持つ土壌の化学組成の特徴を明らかにすることを目的としています。
海域地球化学図:四方を海に囲まれている日本。沿岸域(主として沿岸域から大陸棚上)の地球化学図を作成し、陸域から海域への物質の流れや沿岸域における物質循環について調べます。
精密地球化学図:従来の陸域地球化学図の空間分解能を10倍に向上させた地球化学図です。地域を限定して進めており、関東地域精密地球化学図が2015年度に、中部地方精密地球化学図が2019年度に完成しました。
Sr同位体地球化学図:陸域地球化学図をベースに、元素濃度だけでなく、同位体情報の地球化学図を作成しております。
起源・産地推定のための地球化学図:地球化学図を物質の産地・起源解析に応用することを目指して、その起源となる地質(岩相)ごとに分類した河川堆積物の平均的な化学組成を取りまとめました。
産総研と講談社の共同企画である「さがせ、おもしろ研究!ブルーバックス探検隊が行く」の第17回「全国3000ヶ所の「砂」を調査!元素で見た日本列島の姿」が公開されています(2018/10/30)<こちらから>
令和2年版科学技術白書の身近な科学技術の成果として、地球化学図が取り上げられました(2020/06/17)<こちらから>。
4.堆積物・土壌中の元素挙動の解明 (2018.10.02更新)
湖沼・河川・海洋堆積物や土壌中の元素挙動について、形態分析法を組み合わせて調べています。特に、逐次溶解法と呼ばれる化学的な元素形態分析法と、XAFS(主としてXANES)解析をベースとした物理的な元素形態分析法を組み合わせることで、環境中の複雑な元素挙動を明らかにすることを目指しています。
5.風送ダストの長距離輸送過程の実体解明 (作成日:2017.09.27)
春先に中国大陸から風によって日本へやってくる黄砂の研究を行っています。日中共同のプロジェクトで、主に粒度分布・粒子形状・鉱物組成・化学組成分析を行っています(2005年3月に終了しました)。
6.研究以外の活動(委員会・イベントなど) (2021.07.28更新)
研究業務以外に行っている様々な活動について紹介します。