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ナノチューブの電気伝導特性にはこの様に大変興味深い性質が理論的に予言されているが, それらを実験的に証明するために金属電極とナノチューブの接合の問題が重要となる.
実際ナノチューブや他の一次元分子を用いたナノデバイスでは接合が中心的な役割を果たすと考えられる.[
34],[
36]
なぜならば, 全体の長さが接合からナノメートルの程度であること, また一次元性ゆえに障壁ポテンシャルは対数関数型にゆっくりと変化するからである.[
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また, 後で述べるようにデバイスを考える上でも接合は大変重要となる.[
36]
図 2:
典型的な電極とナノチューブ接合のモデル.
金属電極に網掛けで示したナノチューブが(a) 終端接合と(b)側面接合している.
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これまでの実験で試みられた接合は, 図
2の2つのタイプにモデル化できる.
一つは金属的又は共有結合的に強く結合した終端接合(図
2(a)), もうひとつはvan der Waals力で弱く結合した側面接合(図
2(b))である.
電極に半導体的ナノチューブを接合した場合を考えてみよう.
一般に金属と半導体の接合部にSchottky型障壁が形成されうる.
3次元の従来のデバイスでは, Fermiレベルが半導体のバンド中にピン止めされるため, 障壁の高さの調節が困難であった.
ところが半導体的ナノチューブを終端接合すると, 強くピン止めされた場合でさえ, 障壁の高さはピン止めがないときのものとなる.[
36]
これは表面状態が従来のデバイスでは接合面内で広がっているのに対し, ナノチューブの疑一次元性により接合点に局在しており, 双曲子によるポテンシャルが
で減衰するためである.
ここで
は図
1 (c)に示すように, ナノチューブの軸に沿った接合から距離である.
その効果は, 接合から2nm程度であり, バンド曲がりに及ぼす影響は限定的である.[
36]
金属電極の仕事関数を選ぶことによって障壁の高さを調節できることを意味しており, 新しいデバイスデザインの可能性を開く.
一方側面接合の場合, 電荷移動の結果Fermi準位がピン止めされ, 従来のデバイスと似る.[
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ところで金属的ナノチューブでは, Fermi面付近の4チャンネルに完全に電子を供給するためには十分弱い接合と十分長い接合領域が必要となるので側面接合に可能性がある.[
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常伝導電極以外を用いた実験も報告されている.[
39],[
40]
多層ナノチューブと強磁性電極の接合によるスピンバルブの提案がある.[
39]
超伝導体電極と単層ナノチューブの接合では, ゲート電極による近接効果の変化が示された.[
40],[
41]
一次元常伝導体界面でのAndreev反射として, また朝永-Luttinge流体と超伝導の接合として興味深い.