溶射データベース

溶射データベースについて

溶射データベーストップ画面

溶射は、ガスの燃焼炎や電気エネルギーなどの熱源により溶射材料を加熱、溶融、またはそれに近い状態にし、飛行させて基材に吹き付けることで皮膜を形成する方法です。このデータベースでは、溶射の基礎から、各種の皮膜特性事例データ、技術知識情報などがご覧いただけます。

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溶射アニメーション(動画)コンテンツ・データベース


図1. 粉末フレーム溶射の動画画面イメージ

溶射データベースのコンテンツの一つとして、アニメーション(動画)を活用した入門者向け溶射技術知識情報を提示するプログラムを用意しています。

このコンテンツは、大気プラズマ溶射、アーク溶射などの「溶射法」や、ビッカース硬さ、引き剥がし試験法などの「溶射皮膜評価法」、溶射適用事例などについて、動画や写真などを組み合わせてアニメーションで説明することにより、溶射法に関する成膜プロセスの流れや評価法の測定方法や測定原理、また、溶射が製品に適用される理由などをユーザが平易に理解できることを目指しています。

機能別溶射加工条件・加工事例データベース


図2. 熱伝導率のプラズマ出力依存性データ画面
(機能別加工条件・加工事例データベース)

溶射では、溶射皮膜を基材に被覆することにより、製品表面を硬くしたり、腐食に強くしたり、熱に強くしたりするなどの機能を製品表面に付与することが可能です。その際に、どのような目的で、どのような種類の溶射材料が使われ、またそれをどのような成膜条件で作製するのかは、文献を調べたり、溶射の専門家(大学や研究機関、受託加工企業など)に教えてもらえば知ることができます。

しかしながら、幅広い分野に渡って数値データも含めて把握している人はほとんどおらず、必要性が発生したときに、相当な時間をかけて技術情報や経験を得ることが必要となります。

ここでは、効率的にそうした技術知識データを得られるように、機能別(目的別)に溶射事例データを整理・体系化し、「溶射」のやり方である溶射条件を、皮膜特性とともに検索により提示できる「機能別溶射条件・事例データベース」を作成しました。

まずWeb画面上で、ユーザが皮膜で得られる機能(機械特性、防食特性、耐熱特性など)から一つを選択します。次に表示される画面で、各種皮膜特性をプルダウンメニュー(硬さ、密着強度、レイティングナンバー、熱伝導率など)から一つ選択すると、画面上に溶射材料ごとの皮膜特性の分布範囲が表示されます。そして、溶射材料(Al2O3、Al2O3O-TiO2Oなど)から一つの溶射材料を選択し、さらに、表示された事例データリストから閲覧したいデータを選択することで、皮膜特性を縦軸として、溶射条件パラメータを横軸とした図が表示されるとともに、各種溶射条件(溶射法、基材、前処理法、各種溶射条件など)と出典が自動的に提示されます。

なお、溶射データベースに登録されている事例データは、著者権を有する組織および著者に対してデータ利用の許諾を取り、さらに出典を必ず表記して公開しています。

参考文献

  • 溶射データベース : 登録商標 産業技術総合研究所
  • 廣瀬伸吾, "溶射分野での技能・技術・ノウハウの蓄積・共有・継承に向けて", 全国講演大会講演論文集 Vol.87, pp.36-39 (2008).
  • 廣瀬伸吾, 大森明, 北原繁, 勝村宗英, 黒田聖治, 桑嶋孝幸, 古賀義人, 佐々木信也, 袖岡賢, 関雅雄, 戸部省吾, 恒川好樹, 中出且之, 藤田直也, 堀江譲, 比嘉真嗣, 森和男, 小島俊雄, "溶射データベース- 公的機関が構築および運営する中小製造業者のための溶射技術知識ネットワークシステム - ", 溶射, Vol.42, No.1, pp.22-28 (2005).
  • 廣瀬伸吾, 大森明, 小島俊雄, "中小受託加工企業へのアンケート調査でみる溶射業界の現状と将来像", 溶射, Vol.39, No.4, pp.158-164 (2002).

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