テクノナレッジネットワーク

開発してから数年間、1年間に600万件ものアクセスがありました。現在、一部のコンテンツを廃止しておりますが、継続中のコンテンツもございます。引き続きよろしくお願いいたします。

テクノナレッジ・ネットワークの概要

テクノナレッジ・ネットワーク画面

公設試験研究機関や国立研究所が日常業務で行っている技術相談や技術指導の中には、非常に良いQ&Aを行っている場合があり、それらを Q&A事例データとしてテクノナレッジ・データベースに登録して、広く一般に公開しています。テクノナレッジ・データベースを検索することで、ものづくりの分野等で抱える技術的な問題点について、過去に同様の問題を解決した事例の技術情報を入手することが可能になります。

また、Q&Aデータに付随して、各研究機関で働く研究者や組織のデータを登録しておくことで、公設試験研究機関等で働く研究者・技術者のポテンシャルを全国に広く示すとともに、中小製造業者がデータ作成者に問い合わせしやすい環境を提供できます。

さらに、直ちに解決することが困難な問題については、参加した各機関が閲覧できる電子掲示板を使って公設試験研究機関から質問を投げかけることで、これに対してあらかじめ組織化した専門家集団が回答を行うサービスを提供し、個人的な関係や調査による回答よりも、多くの知識や知恵を集約して組織的な解決策を見つけ出すことに役立てたいと考えています。

そのほか、生産現場を支えてきたものづくり基盤技術・技能の継承や習得に活用できるように、現場の作業者にとってはあたりまえのことや、優れた技能者には必ず携わっていること、教科書では決して十分に記述されていないことがらなどに対して、実際の作業に現場で携わっている人や有識者を中心として個別に委員会を通じて議論し、マニュアル化したものを提供しています。

テクノナレッジネットワークの概念図
図1. テクノナレッジネットワークの概念図

Q&A事例データベース(現在は閉鎖しております)

テクノナレッジ・ネットワークに登録されている技術知識データは、全文検索を可能としています。このため、検索語句をキーワード記入欄に記入して、検索ボタンをクリックすると、テクノナレッジ・ネットワークに登録されている全情報から該当する情報を抽出することができます。

例えば、「切削」キーワード記入欄に記入して、検索ボタンをクリックすると、全情報から「切削」に関する情報を抽出することができます。また、*(アスタリスク)を語句に付けることにより、例えば「アルミ*」と入力すれば、アルミニウムやアルミ合金など「アルミ」を含んだ語句の全情報を検索して閲覧できます。

概要には、Q(質問)およびA(回答)の概要、情報を登録した研究員の個人情報データ(ID)、情報の登録日時などが表示されます(図2・左)。これらの情報のうち、Q&Aの詳細を知りたい場合は、概要ファイル名(図2左・○印)をクリックすることで記載されているファイル表示が可能であり、詳細ファイルのダウンロードもユーザが選択可能としています。

テクノナレッジネットワークの概念図
図2. Q&Aデータベース

蓄積されたQ&A事例データは、MS-Word、一太郎、TEXT、PDFなどの様々な文書ファイル様式で電子化されており、ユーザがそれらに対応したアプリケーションでブラウザを使って読み出すことができます。仮にアプリケーションを保有していない場合でも、HTML表示ボタンを押してブラウザ上でファイルを参照できます。(ただし、一太郎ファイルなどHTML表示できないファイル形式もあります)

さらに、登録者のID(名前)をクリックすると、情報を登録した研究員の連絡先が表示されるので、詳細等の問い合わせ先を知ることができます。このようなQ&Aデータは、2001年8月の時点で、参加機関約90機関、4500件のデータが登録されています。

(Q&A事例データベースは、2010年3月31日をもって閉鎖しました。ご活用ありがとうございました。)

ものづくり基盤技能・技術教本マニュアル


図3. ものづくり基盤技能・教本マニュアル

中小企業総合事業団「技術・技能の客観化・マニュアル化等」事業では、各工業会・協会をプロモータとして、現場技能者および有識者による委員会を個別の加工分野ごとに設けて報告書をまとめています。

ここで得た成果である報告書は、PDFファイル化し、教本マニュアルとして登録して公開しています。教本マニュアルは内容量が多いため、あらかじめファイルを分割して登録しており、ファイル閲覧やファイルダウンロードの際に極端にパソコン動作が遅くならないように配慮しています。

電子掲示板 (現在は閉鎖しております)

電子掲示板機能に関しては、ユーザIDを持つ者、すなわち公設試や国研、大学等の専門家等の公的機関に属する者のみが直接利用できる仕組みになっています。


図4. 電子掲示板

例えば、ユーザがログインしない状態で、登録ユーザ用のメニューの電子掲示板をクリックすると、質問内容のタイトル文と回答内容のタイトル文が見えるだけですが、ユーザIDを使って登録ユーザとしてログインを行うと、質問の内容と電子掲示板上で議論させている内容がすべて見えるようになります。

中小企業者は、質問内容を部分的な隠して回答を求める場合もあるので、完全公開、限定公開の選択を可能にしています。

加工技術データベース (詳細はソフトウェアの項目をご覧ください。

加工技術データベースは、中小製造業の技術者が必要とする加工条件の設定やトラブル対策等の加工情報を実際の加工事例データにもとづいて与えてくるデータベースです。15の加工分野において、加工条件や加工事例のデータベースやトラブル対策事例データベースなどを公開しています。

参考文献

  • S. HIROSE, T. KOJIMA, S. ITO, S. FUJINO and A. HAYASHI, "Techno-knowledge Network -WEB-based Novel Public Service in Japan for Small and Medium Enterprises via the Internet-", Proceedings of ITIT Symposium on Development Manufacturing Technology Infrastructure, Tokyo, Jan. 31, 2001, pp. 77.
  • 廣瀬伸吾, 小島俊雄, 伊藤三郎, 藤野真司, 林明夫, "テクノナレッジ(技術知識)ネットワークの構築-新しい連携体制の概念提示と実証実験開始まで-", 2001年精密工学会春季大会講演論文集, p.316 (2001).
  • "連載モノづくり新時代 中小企業基盤技術研究会から1-8", 日刊工業新聞, 2000年7月26日,28日,8月2日,4日,23日,25日,30日,9月1日.
  • "企業庁 テクノナレッジ・ネットワーク実証実験スタート", 日刊工業新聞, 2000年11月22日.
  • 中小企業基盤技術研究会報告書、"中小企業の「ものづくり力」強化に向けた展望と課題", 通商産業省中小企業庁, 2000年6月30日.
  • 中小企業の新しいものづくり 表紙の写真"中小企業の新しいものづくり-IT時代の中小製造業の展望-", 中小企業庁編, 財団法人通商産業調査会発行, 2000年10月1日.

↑ このページのトップへ

©独立行政法人 産業技術総合研究所 廣瀬伸吾
TEL:029-861-7231 / E-mail:s.hirose@aist.go.jp