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テレイグジスタンス方式は、ロボットの運動指令を発生することには非常に有効であるが、
ロボットに運動指令を出すこと以外の機能を利用しようとする場合、必ずしも
有力ではない。
6.3で述べるテレイグジスタンス実験システムは、VR環境を利用して、作
業訓練を行ったり、不可視情報を表示したりする機能
持っているが、これらの機能をテレイグジスタンス方式で
呼び出すこと困難である。ジェスチャーを認識して、スイッチとして用いること
は可能であるが、作業中に可能で、かつ認識の容易なジェスチャーの設定は簡
単ではない。
漫画版「ジャンボーグA」では、図4に示すようなスイッチを利用して、飛行
のための背中にあるジェット・エンジンの準備を行い、飛行している。また、
「ジャンとべ」といった音声指令によっても飛行を開始する場面がある。
少年サンデー
1967年20号より1968年10号まで連載された
横山光輝、小沢さとる作の漫画「ジャイアント・ロボ」、
1967年10月11日より翌年4月1日まで、NET(現・テレビ朝日)系にて放送された
光プロ・東映製作のTV特撮番組「ジャイアント・ロボ」において音声入力によるロボット操縦が提案・例解されていたが、テレイグジスタンス方式のロボットでは、初の試みであった。
第6章で述べる現実のロボット・システムにおいて、音声入力やスイッチ類は効
果的に用いられている。
6.3で述べるテレイグジスタンス実験システム [77][57]
は、VR環境を利用した様々な機能を利用するためには、左手のジョイスティッ
クと両足先にあるフットスイッチを利用してモードを切り替え、画面上にメニューを表示し、選択していた。
6.2で述べるTOPS(Teleoperator/Teleoresence System)[67]
や6.4で述べる極限作業ロボット用コクピット [53][54]
では、音声入力により、モード切り替えやファンクションの利用を行っていた。
現在では、音声認識の性能は飛躍的に向上し、ロボットの操縦に十分な信頼性を獲得したものと考えられる。
6.6で述べるHRPコクピットでは、音声入力を重要な操縦指令として利用している [79]。
Eimei Oyama
2001-11-10