Next: 6.4 極限作業ロボット用コクピット
Up: 6. その後の発展:現実のロボットシステム
Previous: 6.2 Tops
6.3 テレイグジスタンス実験システム
1988年より開発が進められたテレイグジスタンス実験システムは
舘、荒井、前田、常本、榊、井上、大山、柳田、安田らによって構築された
[76][77][57][46]
[58][59][78][84]。
図7: テレイグジスタンス実験システム
図8: 不可視環境下での作業
このシステムの特徴は、操縦者とロボットを直接的に結ぶだけで無く、操縦者
とロボットの間にVR環境を介在させた拡張型テレイグジスタンス
が導入され、不可視情報の提示や作業訓練等
の拡張された機能の提供が行われていることである [74][77]
[57][58][59]。
現在、拡張或いは複合現実感(Augmented/Mixed Reality)と呼ばれている、実画像に仮想環
境画像を混在させて描画する機能も付加されていた。
また、力フィードバックが無いマスター・アームの問題点を補うために、
スレーブ・アームはインピーダンス制御によって制御され、VR環境と実環境との間のミスマッ
チに対して、制限はあるが対応できた。
図7にテレイグジスタンス実験システムを示す。
手前が
7自由度のアーム、力制御機能付きハンド、ステレオカメラ
を搭載した3自由度のヘッド、並進の2自由度と回転の1自由度を持つ胴体によっ
て構成されるTELESAR(TELE-existence Surrogate Anthropomorphic Robot
)であり、奥に見えるのが、HMDの支持機構を持つマスター・システムである。
拡張型テレイグジスタンスにより、
VR環境を利用して、不可視情報を表示し、煙の中
での作業実験に成功した。図8にその様子を示す。
Eimei Oyama
2001-11-10