金属スクラップQ&A of 金属スクラップの安全管理情報提供システム


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Q1:金属スクラップとはどんなものですか?
「その他の鉄スクラップ」,「雑品スクラップ」などとよばれて,鉄,銅,アルミニウムなどの非鉄金属,プラスチックなどが混合される雑多なスクラップが含まれています。有害資源を回収する目的で中国などにも輸出されています。
なお,本サイトで対象とした「金属スクラップ」とは,モーター,配電盤,湯沸かし器,コンプレッサー,家電類,OA機器など主として銅が付着した未解体の使用済み鉄鋼製品を指し,処理難物である大型機械などの未解体鉄スクラップも含みます。

Q2:どのようなところで火災が起きていますか?
金属スクラップを船積みするための港湾の貯蔵施設や輸送船のほか,陸上の中継施設でも発生しています。
LinkIcon金属スクラップの火災事例

Q3:どのような作業中に火災が起きていますか?
重機などで積み上げたり船に積み込んでいるときや,積み上げたものをならしているときに起きることが多いようですが,作業終了後かなり時間が経過した後に起きた例もあります
LinkIcon金属スクラップの火災事例

Q4:どのような着火源が考えられますか?
リチウム電池の破壊時の火炎の発生,電池の短絡による火花,鉛バッテリーから漏洩した硫酸による混合発火,金属の衝撃による火花の着火,アルミニウムなどと水との接触発火,テルミット反応などが考えられます。
LinkIcon金属スクラップの着火源
可燃性ガスを含むスプレー缶から漏れた可燃性ガスやプリンタなどのトナーが着火して,火災が拡大したと推定される事例もあります。
詳しくは事故原因に関する研究結果をご覧ください。
LinkIcon金属スクラップ関連事例PFA

Q5:なぜ火災が拡大するのですか?
サンプリング調査によると,金属スクラップには,多量のプラスチックが含まれる堆積スクラップも少なくありません。可燃物の比率が高く,堆積量が多いと消火が難しく,火災が拡大しやすくなります。

Q6:火災の影響としてどのようなことが考えられますか?
火災の煙や消火水の影響を考える必要があります。
高濃度の有毒ガスが発生したと例は報告されていませんが,消防署が付近住宅の窓を閉めるように広報した例があります。
油が混ざった消火水や泡消化剤が海に流入した場合,拡散の防止や回収措置がとられることがあります。

Q7:消火上の問題点や効果的な消火法について教えてください
堆積物の消火はなかなか難しいようです。放水だけではなく,泡消火剤を使用した例もあります。重機などで堆積物を崩したり,船倉から取り出して消火するのが効果的といわれています。
詳しくは消火に関する研究結果をご覧ください。
LinkIcon金属スクラップ火災の消火方法

Q8:火災防止のためにどのような対策が必要ですか?
行政の指導や事故後の対応から効果的な対策例を紹介します。
・消火栓や消火器の設置
 →これによって時折発生していた初期火災が消火できたという例もあります。
・堆積物の高さや量の制限
 →堆積量が大きくなると蓄熱しやすくなったり,消火も難しくなります。
  蓄熱火災の起きやすい木粉チップなどでは高さ制限がもうけられています。
・危険物の混入防止のため,保管,積み込み前に目視による検査
 →充電器,バッテリー,電池,ライター,ガスボンベ,スプレー缶などの検査を実施している保管施設もあります。
LinkIcon金属スクラップ火災の防止策