ABOUT of 金属スクラップの安全管理情報提供システム


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 本サイトは,環境省循環型社会形成推進科学研究費補助金「有害物質管理・災害防止・資源回収の観点からの金属スクラップの発生・輸出状況の把握と適正管理方策」(代表研究機関:(独)国立環境研究所,平成20-22年度)の成果物です。参画研究機関と研究者の一覧はこちらをご覧下さい。

本研究の主旨

 本研究で対象とした「金属スクラップ」とは,「雑品」と称される金属スクラップで,モーター,配電盤,湯沸かし器,コンプレッサー,家電類,OA機器など主として銅が付着した未解体の使用済み鉄鋼製品を指し,処理難物である大型機械などの未解体鉄スクラップも含みます。これらはかつて国内の鉄スクラップ事業所でガス溶断後,ギロチンやシュレッダーなどで加工処理され,鉄は製鋼メーカーに,非鉄は非鉄精錬に引き取られリサイクルされていました。しかし,中国の銅需要急増と安価な労働力を求め,また,大型機械は解体に広い場所が必要なこともあり,2003年頃より未解体(未処理)のまま輸出されることが増えてきました。
 ところが,近年大量に中国などへ輸出されてきた「金属スクラップ」の一部について,有害物質や使用済み家電などの混入により相手国から貨物が返送された事例が発生しています。貨物船や船積み現場での火災事故も生じており,環境と災害上の問題が懸念されています。このような「金属スクラップ」について,有害物質および混合物の内容や,火災の発生・拡大の原因などの知見が不足しており,適切な安全管理,行政指導が行えていません。このため,「金属スクラップ」の発生源・品目・組成調査や火災実験などを通じて,有害物質管理・防災・資源回収の観点から,「金属スクラップ」の発生・ 輸出実態の実態を解明し、適正管理方策を提示し,あわせて,輸出入両国での法的規制の課題や,輸出の現状と国内リサイクル制度との関連性を検証し,改善策を提案する必要があります。

本サイトの目的

 本サイトは,上記の課題のうち,金属スクラップ火災の現状,発生・拡大の原因を明らかにし,再発防止に役立つ情報を提供することを目的に上記プロジェクトの中で(独)産業技術総合研究所が構築しました。
 「金属スクラップの基礎知識・火災事例」では,金属スクラップを扱う方々を対象に,金属スクラップ火災に関するQ&Aや近年の金属スクラップ火災事例の一覧を示しました。また,「廃棄物,循環資源およびリサイクルに関する事故情報・物質危険性DB」では,金属スクラップおよびその他の廃棄物など扱う方々を対象に,金属スクラップ火災に限定せず,関連する廃棄物,循環資源やリサイクルの火災・爆発事故の情報や物質の危険性を知っていただき,火災の発生・拡大の原因分析やその防止に役立つと思われる,さまざまな事例について,リレーショナル化学災害データベース(RISCAD)などのデータベースにリンクを張りました。「廃棄物・リサイクル関連事故一覧」では,いくつかの金属スクラップ火災の原因と推定される「金属と酸との反応」による事例,ならびに,金属スクラップ火災と共通点がみられる,その他の「廃棄物」による事故事例に着目して,事故事例分析を行った結果を示しました。
 「関連法規DB」では,金属スクラップを取扱い,また,輸出を考えておられる方が,金属スクラップ火災に関連した消防法やGHSの他,上記課題全般に関連したバーゼル法,廃棄物処理法,バーゼル条約をすぐに参照できるようにリンクを張りました。

(2011年3月)

参画研究機関および研究者一覧(2011年3月時点)

研究代表者

  • (独)国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター
    • 寺園 淳

共同研究者

  • (独)国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター
    • 中島 謙一
    • 吉田 綾
  • 東京大学大学院 工学系研究科 システム創成学専攻
    • 村上 進亮
  • 総務省 消防庁 消防大学校 消防研究センター
    • 古積 博
    • 佐宗 祐子
    • 岩田 雄策
  • 海上保安庁 海上保安試験研究センター
    • 山崎 ゆきみ
  • (独)産業技術総合研究所 安全科学研究部門
    • 若倉 正英
    • 和田 有司  (本サイトの責任者)
  • 海上保安庁 海上保安大学校
    • 鶴田 順