MIDI制御のための分散協調システム
(RMCP: Remote Media Control Protocol)
This project is proposed by
Masataka Goto.
English version is here.
本研究では、
MIDIとLANを融合することにより、
LANに接続可能な様々なコンピュータの支援を受けながら
MIDI楽器を用いた合奏ができる分散協調システムを実現した。
現在、
LANに接続可能なコンピュータは多く、
これらの汎用の機器を組み合わせて活用することにより、
MIDIに対応した専用機器を用意しなくても容易に様々な演奏の支援が得られる。
例えば、
ISDNなどのWANを経由して
本システムの目指す遠隔地間の合奏をしたり、
他のユーザの演奏状態を視覚化して合奏を容易にすることができる。
さらに、
演奏情報に反応して変化するCGを生成して、
演奏によるCGの制御がおこなえる。
本システムを実現するために、
単にMIDIメッセージをLAN上に流すのではなく、
MIDIを拡張した通信プロトコルRMCP (Remote Music Control Protocol) を設計し、
それに基づいて実装をおこなった。
RMCPは、
通信をブロードキャストでおこない、
複数のユーザによる合奏を支援するために、
ユーザ識別子や指揮情報などの項目を含む。
実際に本システムを運用した結果、
複数のユーザが協調して電子楽器を制御することが可能であり、
数人での合奏をおこなえることを確認した。
また、演奏によってCGの制御をおこなうこともできた。
その後、
RMCPをインターネット経由で運用するためのRMCPゲートウェイも既に実現した。
References:
- 後藤 真孝, 根山 亮:
"Open RemoteGIG: 遅延を考慮した不特定多数による遠隔セッションシステム",
情報処理学会論文誌, Vol.43, No.2, pp.299-309, February 2002.
- 後藤 真孝, 根山 亮, 村岡 洋一:
"RMCP: 遠隔音楽制御用プロトコルを中心とした音楽情報処理",
情報処理学会論文誌, Vol.40, No.3, pp.1335-1345, March 1999.
- Masataka Goto, Ryo Neyama, and Yoichi Muraoka:
RMCP: Remote Music Control Protocol
--- Design and Applications ---,
Proceedings of the 1997 International Computer Music Conference,
pp.446-449, September 1997.
- 後藤 真孝, 根山 亮, 菊地 淑晃, 村岡 洋一:
"RMCP: Remote Media Control Protocol
--- 時間管理機能の拡張と遅延を考慮した遠隔地間の合奏 ---",
情報処理学会 音楽情報科学研究会 研究報告 97-MUS-21-3, Vol.97, No.67,
July 1997.
- 後藤 真孝, 橋本 裕司 :
"MIDI制御のための分散協調システム
--- 遠隔地間の合奏を目指して ---",
情報処理学会 音楽情報科学研究会 研究報告 93-MUS-4-1, Vol.93, No.109,
December 1993.
- 後藤 真孝 :
"分散協調インタラクティブシステム
--- 音とCGによる遠隔地間のインタラクション ---",
NICOGRAPH'93 CG教育シンポジウム プロシーディングス, pp.44-49,
November 1993.
- 後藤 真孝 :
"MIDI制御のための分散協調システム",
jus設立10周年記念 UNIX国際シンポジウム 論文集, pp.161-171,
July 1992.
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Masataka GOTO
<m.goto [at] aist.go.jp>
last update: February 18, 2002
Title:
MIDI制御のための分散協調システム
--- 遠隔地間の合奏を目指して ---
Authors:
Abstract:
本稿ではMIDIとLANを融合した分散協調システムについて述べる。
本システムでは、
コンピュータの支援を受けながら複数のユーザがMIDI楽器を合奏できる。
本システムにより、MIDIに対応した専用機器を用意しなくても、
汎用のコンピュータを組み合わせて様々な演奏の支援や特殊効果を得られる。
例えば、広域ネットワークを使って遠隔地間の合奏をしたり、
他のユーザの演奏状態を視覚化したり、
演奏情報に反応して変化するCGを表示したりすることができる。
これらを実現するために、MIDIプロトコルをそのまま用いるのではなく、
ブロードキャストなどの特徴を持つ通信プロトコルRMCPを設計した。
本システムは実際にネットワークで結ばれたワークステーション上に実装され、
3人での合奏が可能であった。