打楽器音を対象にした音源分離システム
This project is proposed and researched by
Masataka Goto.
English version is here.
音源分離とは、複数の音源の音が混在している音響信号から
それぞれの音を分離して認識する技術である。
これは、曲の音響信号からその楽譜を作り出す自動採譜において、
中心となる重要な処理である。
本研究では、
打楽器音と楽音がともに含まれている音楽を
音源分離・自動採譜するための第一段階として、
打楽器のみで演奏された音楽を対象にした音源分離システムを実現した。
本システムは、
複数の打楽器音が混合したモノラルの音響信号を入力とし、
打楽器の種類とその発音時刻・強度をあらわすシンボル(標準MIDIファイル)
を出力する。
我々は、
音量補正法、音源分離を実現する距離尺度、選択的注意の機構の
3つの点でテンプレートマッチングを改良した。
これにより、
各音の周波数成分が重なり合ったり音量が変化した場合にも
各打楽器音を認識できるようになった。
本システムをワークステーション上に実装して実験した結果、
事前に登録した複数の打楽器音のみによる演奏という制約のもとで、
本システムが音源分離できることを確認した。
References:
- 後藤 真孝, 村岡 洋一 :
"打楽器音を対象にした音源分離システム",
電子情報通信学会論文誌 D-II, Vol.J77-D-II, No.5, pp.901-911, May 1994.
- 後藤 真孝, 田渕 仁浩, 村岡 洋一 :
"打楽器音を対象にした自動採譜システム",
情報処理学会 第46回全国大会, 7Q-2, March 1993.
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Masataka GOTO
<m.goto [at] aist.go.jp>
last update: October 22, 1996
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Authors:
Abstract:
本論文では、複数の打楽器のみで演奏された音楽から
各打楽器音の発音時刻と強度を認識する音源分離システムについて述べる。
音源分離とは、複数の音源の音が混在している音響信号から
それぞれの音を分離して認識する技術であり、
曲の音響信号からその楽譜を作り出す自動採譜において、
中心となる重要な処理である。
従来、楽音を対象にした音源分離システムは研究されてきたが、
それらの手法は打楽器音に対して適用することができない。
そこで本論文では、打楽器音の音源分離を実現する認識手法を提案する。
本手法では、事前に登録してある打楽器音のテンプレートパターンと
入力パターンとの距離を、
改良したテンプレートマッチングにより求めて閾値処理する。
我々は、音量補正法、音源分離を実現する距離尺度、選択的注意の機構の
3つの点でテンプレートマッチングを改良した。
これにより、複数の音が混在したり音量が変化した場合にも各打楽器音を認識できる。
本システムをワークステーション上に実装し、
打楽器音の音源として電子楽器を用いて実験した結果、
8Beatのドラムパターンの演奏音を音源分離することができた。