訓練環境のXML

WR-AOTSVer. 2.08J の訓練環境データは、XML形式です。従いまして、WR-AOTSVer. 2.08J の編集ウィンドウを使用する以外にも、XMLエディタ、または普通のテキストエディタを用いてXMLのソースコードを直接編集することにより、訓練環境の編集が可能です。

訓練環境データのXMLDTDファイルは以下のURLにあります。ダウンロードして御覧下さい。

XMLについての補足

  • WR-AOTSVer. 2.08J は、原文ウィンドウでXMLのソースコードを表示することはできますが、直接編集することはできません。

  • WR-AOTSVer. 2.08J の編集ウィンドウでは、訓練環境名を編集できません(訓練環境データ保存時に、拡張子を除くファイル名が自動的に訓練環境名となります)が、XMLのソースコードを直接編集すると、訓練環境名を自由に付けられます。

  • XMLのソースコードの中では、距離の単位はmではなく、cmとなっています。これは、聴覚空間認知訓練システム Ver. 1.0で使用した3次元音響処理装置における距離の指定がcm単位であったことに由来します。

  • XMLのソースコードの中では、カードとフレーズは、1つにまとめてphrase要素として記録されています。

訓練環境のXMLここで終わり

音源の旋回

WR-AOTSVer. 2.08Jでは、自動車の動きを模擬するように音源が旋回します。音源の初期位置、速度、及び旋回中心から、旋回前の減速距離、旋回後の加速距離、および旋回速さを自動的に計算します。なお旋回角度は90°に固定されています。

この図は、音源の旋回を表しています。図には、音源が直一定速度で直進、減速、90°旋回、加速、そして最後にもとの速さで直進する様子が描かれています
音源の旋回ここで終わり

広範囲測位

WR-AOTSVer. 2.08J では、訓練生の頭部の位置及び方向を計測するために、広範囲測位技術を使用しています。

広範囲測位技術は、計測範囲に制限がない測位技術の総称で、GPS、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサなどが含まれます。WR-AOTSVer. 2.08J では、以下の広範囲測位センサを使用しています。

  • GPSUSB接続式NMEA規格対応GPS
  • 加速度センサ : Wii®リモコンプラス™内蔵 3軸加速度センサ
  • ジャイロセンサ : Wii®リモコンプラス™内蔵 3軸ジャイロセンサ
  • 地磁気センサ : なし

一般に広範囲測位センサの計測値には大きな誤差が含まれます。WR-AOTSVer. 2.08J では、誤差の影響を軽減するために、以下の処理を行っています。

  1. 加速度計測値のノイズ及びバイアスの除去

    この処理は、加速度センサを使用する場合に常時行われます。加速度センサによる計測値には、ノイズ(速い振動の計測誤差)及びバイアス(長時間に渡って持続する一定の計測誤差)が含まれています。この両者を移動平均処理などを用いて除去します。

  2. GPS計測値の滑り(ドリフト)の防止

    この処理は、滑り防止チェックボックスをチェックしている場合のみ行われます。

    この図は、滑り防止チェックボックスにチェックを入れる図です。

    GPSによる測位値には、数m〜数十mの誤差が含まれています。GPSによる測位は1秒毎に行っていますが、ヒトの歩行速度で1秒間では不可能な移動距離(例えば20 m以上)をGPSが出力した場合、それはドリフトと判断し、その測位値は無視します。この場合、GPSインジケータは、たとえ受信可能衛星数が4機以上あっても、GPS無効の表示(黒)になります。

    この図は、GPSインジケータが、受信可能衛星数が4機なのにも関わらず、無効を表示している図です。
  3. 慣性航法(INS

    この処理は、慣性航法チェックボックスをチェックしている場合のみ行われます。

    この図は、慣性航法チェックボックスにチェックを入れる図です。

    GPSの測位値を使用できない場合(受信可能衛星数が4機未満、またはドリフト発生時)、加速度センサによる計測値だけを使用して位置を推定します。またGPSの測位値を使用できる場合、加速度センサの計測値とGPSの測位値の両方を用いて位置を推定します。この処理が行われている時は、慣性航法インジケータが、INS有効の表示(赤)になります。

    この図は、INSインジケータが、有効を表示している図です。
  4. 安定操作モード

    この処理は、安定操作チェックボックスをチェックしている場合のみ行われます。

    この図は、安定操作チェックボックスにチェックを入れる図です。

    GPS、及びWii®リモコンプラス™の計測結果のうち、安定している計測値のみを使用して移動します。具体的には、以下の通りです。

    • GPSの計測値は全て無視します。
    • Wii®リモコンプラス™の加速度センサの計測値は、前後方向のみ有効とし、上下左右方向は無視します。また前後方向の計測値も、前進移動の開始と停止の切替えにのみ使用します。
    • Wii®リモコンプラス™のジャイロセンサの計測値は、水平回転(ヨー)のみを有効とし、垂直回転(ピッチ及びロール)は無視します。
広範囲測位ここで終わり

公共の音のルール

WR-AOTSVer. 2.08J には、日本の公共空間における音の使い方のルールに沿ったサンプル訓練環境データが入っています。ご活用下さい。

公共の音のルールここで終わり

WR-AOTS-208J フォルダ

WR-AOTS-208J フォルダの中の5つのアイテムの簡単な説明です。

  • WR-AOTS.exe

    実行ファイルです。

  • vadmgr.dll

    3次元音響処理に関連したアイテムです。詳細は非公開です。

  • Soundsフォルダ

    音源データを格納するフォルダです。内容は音源データの管理参照。

  • Lessonsフォルダ

    訓練環境データを格納するフォルダです。内容は訓練環境の設計参照。

  • HRTFフォルダ

    3次元音響処理に関連したアイテムです。詳細は非公開です。

WR-AOTS-208J フォルダここで終わり