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Innovation

新奇量子現象の研究

1. Ca3Ru2O7のFZ(フローティーングゾーン)法による単結晶作製法を世界で初めて確立しました。擬二次元反強磁性金属であることを明らかにし、磁気構造を決定しました。(Physical Review B69 (2004)22041. APSにて招待講演。)

新奇量子現象の研究 新奇量子現象の研究

2. Sr2RhO4の高純度単結晶試料を世界で初めて作製し、角度分解光電子分解法によりフェルミ面の構造を明らかにしました。RhO6八面体が回転しているため、4d電子のt2g軌道とeg軌道の混成を考慮して初めて実験データを説明できることを示しました。これまで4d電子金属元素と酸素が八面体構造を持つ材料で、eg軌道がその電子状態に重要な役割を果たしている物質は知られておらず、極めて重要な発見であると考えられます。(Physical Review Letters 97 (2006) 106401。)(韓国ソウル大学との共同研究)

新奇量子現象の研究

3. 擬ギャップは銅酸化物高温超伝導体において注目を集めています。Ca3Ru2O7の光学伝導度測定を行い、銅酸化物高温超伝導体と同様の特異な擬ギャップ構造があることを見出しました。擬ギャップの解明において重要な成果であると思われます。

新奇量子現象の研究

4. Ru等の遷移金属酸化物はいろいろな特異現象を示します。327Ru酸化物Sr3Ru2O7の圧力下における強磁性相転移を発見しました。

Refs. S.I. Ikeda et al.: Physical Review B62, 6089 (2000).

S.A. Grigera et al.: Science 294, 329 (2001).