研究内容
(1)新量子現象および環境調和高性能材料の研究
高消費社会において地球規模で日々増大する情報、エネルギー消費量を支えるには環境にやさしい新材料の開発が不可欠となっています。環境にやさしい材料とは低電力で作動し、長期間に渡って壊れずに動くようなものです。金属酸化物材料に着目するとそれらの候補と成りうる物質が浮かんできます。酸化物は酸化物高温超伝導体に代表されるように超伝導性を示すものが存在します。当グループでは酸化物であっても高電気伝導性、高誘電性を示すものを発見しました。これをもとに極薄膜作製技術の確立を目標としています。トランジスタのゲート電極や絶縁材料に応用することにより高性能デバイスへの展開が期待できます。
物質に新しい現象を示してもらうには、こちらからいろいろと働きかける必要があります。たとえば、圧力を加える、温度を下げるなどです。われわれのグループでは30mK、20Tesla、3GPaの多重極限環境下における測定技術の確立をめざしています。最近、一軸性圧力を加えて電子の動き易さを制御することにより、圧力誘起の強磁性転移を発見しました。
新量子現象、新材料の研究において結晶育成技術は重要です。当グループでは酸化物高純度結晶育成技術を保持しており、また、酸素気圧が10のマイナス24乗気圧下での単結晶育成技術を確立し、実用化を目指しています。この技術を用いて結晶育成が難しいと言われていたMoを含んだ遷移金属酸化物Sr2Mo04の結晶成長に成功しました。新材料、新現象の発見に期待がもてます。
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