早稲田大学 先進理工学部
「パターン認識」2012年度
担当:
赤穂
昭太郎
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講義概要
人間は、学習を通して、現実世界の多様で膨大な情報を類型的なパターンと
して概念に対応付け、それらの関係を知識として蓄積することで、さまざまな
状況に柔軟に対応できる。パターン認識は、人間が生存するための最も基本的
な能力であり、知能の根幹をなしている。最近、犯罪・テロの防止、交通事故
の削減等の「安心・安全で快適な社会」を構築するのための技術開発の重要性
が指摘されている。これらの応用では「人間なら簡単にできるが今のコンピュー
タでは難しい」機能を実現することが重要である。パターン認識は、こうした
課題の解決のための鍵となる技術である。また、インターネットや携帯電話等
が急速に普及し、生活の様々な場面で情報技術が利用されるようになったが、
そうした情報機器と人間との自然なインタフェースを実現するためにもパター
ン認識は重要な役割を担っている。さらには、インターネット上に分散的に蓄
えられた大量のデータの中から意味のある情報を取り出すためのデータマイニ
ングや遺伝子配列とその機能との関連性を抽出するバイオインフォマティクス
等でも、パターン認識が多用されている。パターン認識の実現には、現実世界
の曖昧さや不確かさを扱う必要がある。本講義では、パターン認識および機械
学習の話題について、確率統計的な視点から解説し、人間のような柔軟な知的
情報処理システムを実現するための基礎技術の習得を目指す。
履修の注意
- 線形代数と確率統計の基礎を修得していることが望ましい。
- 教科書は特に指定しない (以下参考書)
- Richard O.Duda, Peter E. Hart, and David G.Stork, ``Pattern Classification,''
Second Edition, John Wiley \& Sons (尾上守夫監訳: 「パターン識別」新技術コミュニケーションズ)
- 大津展之、栗田多喜夫、関田巌著 「パターン認識--理論と応用」、
朝倉書店、1996
- 石井ほか:わかりやすいパターン認識,オーム社
- 麻生ほか:パターン認識と学習の統計学,岩波書店
- 渡辺ほか:学習システムの理論と実現,森北出版
- Mackay: Information theory, inference and learning algorithms,
Cambridge univ. press
- そのほか授業にて適宜指示
- ビショップ著 元田他監訳、「パターン認識と機械学習 下」、
シュプリンガー・ジャパン、2008.
- ビショップ著 元田他監訳、「パターン認識と機械学習 上」、
シュプリンガー・ジャパン、2007.
授業予定・内容
赤穂担当分 (注意: 進度は休講等の状況によって適宜変更される)
- 第1回 (09/27) 藤木さん担当
- 第2回 (10/04) 藤木さん担当
- 第3回 (10/11) パターン認識と学習・歴史・応用・あるなしクイズと汎化・確率とパターン認識
- 第4回 (10/18) 確率の推定・次元の呪い
- 第5回 (10/25) 藤木さん担当
- 第6回 (11/02) 藤木さん担当
- 第7回 (11/08) 休講:授業理解の確認
- 第8回 (11/15) 基本的なパターン認識手法1(最小二乗,最近傍,テンプレートマッチング)・クラスタリング・クロスバリデーションによるモデル選択・No free lunch theorem
- 第9回 (11/22) 基本的なパターン認識手法2(決定木・ナイーブベイズ・線形識別器(パーセプトロン))・損失関数の凸性と最急降下法による最適化
- 第10回 (11/29)藤木さん担当
- 第11回 (12/06)藤木さん担当
- 第12回 (12/13) 休講:授業理解の確認
- 第13回 (12/20) いろいろな学習の枠組み(1)
- 第14回 (01/17) いろいろな学習の枠組み(2)
- 第15回 (01/24) 藤木さん担当
レポート課題についてはコースナビにて出題・提出管理をします.
https://www.wnp.waseda.jp/portal/portal.php
過去の資料 (注意:
今年度は昨年度までとは若干内容が異なります)
質問等はコースナビよりお願いします.