by Isoji MIYAGI @ Geological Survey of Japan, AIST

Lensky&Lyakhovsky_etal(2001) Radial variations of melt viscosity around growing bubbles and gas overpressure in vesiculating magmas. Earth and Planetary Science Letters. 186: 1-6. (my_id=1755)

問題意識:

減圧発泡中に，マグマの局所的な粘性はどうなっているのか．

1. メルトが発泡すると，メルトの含水量は，気泡に接した部分は低く，気泡から遠い部分で高くなる．
2. シリケイトメルトの粘性は，含水量に強く依存するので，
3. 気泡の周囲に同心円状の粘性の不均質ができるはず．

→気泡周囲にできる同心円状の粘性の不均質が，気泡の成長ダイナミックスにどのような影響を与えるのかを，知りたい．

したこと

• 気泡周囲にできる同心円状の粘性の不均質が，気泡の成長ダイナミックスにどのような影響を与えるのかを，数式により検討した．

わかったこと

1. 気泡の縁にできる脱水層の粘性(気泡周辺より数桁高いことがある)が，気泡成長ダイナミックスに対して最も大きな影響をもつ
2. 気泡の縁にできる脱水層の粘性によって気泡の成長が抑制されるため，気泡の中の圧力が外よりも大きくなることがある．

影響

• 気泡の縁にできる脱水層の粘性によって気泡の成長が抑制されるため，「マグマ破砕(気泡が成長してはじけることによって生じるタイプの)」のタイミングが遅れる．