Browne&Eichelberger etal(2006)
by Isoji MIYAGI @ Geological Survey of Japan, AIST
Magma mingling as indicated by texture and Sr/Ba ratios of plagioclase phenocrysts from Unzen volcano, SW Japan. Journal of Volcanology and Geothermal Research. 154: 103-116. (my_id=1728)
問題意識
マグマ混合はどのように起きるのか.
したこと
雲仙火山の噴出物に含まれる斜長石斑晶の累帯構造の観察と化学組成分析を行なった.
わかったこと
斜長石の累帯構造には,デイサイトマグマの本体にバサルトが注入されそれらが混和してゆく様子が記録されていた.
斜長石の累帯構造のうち,デイサイトマグマ本体の中で成長した部分は,オシラトリーゾーニングをしたAn組成60ぐらいでSr/Ba比が低い.一方,バサルトの注入時には高温のため斜長石の外周が溶かされて再結晶化する際に,微細な蜂の巣状構造をもちAn組成組成が72〜92でSr/Ba比の高いものが形成される.
デイサイトに注入したバサルトが混和しきれずに出たものは,マフィックエンクレーブとして観察される.また,混和が不十分なため,再加熱を受けていない斜長石が噴出物に含まれる.これに対し,1663年の噴出物に限っては,このマフィックエンクレーブが認められない.また,バサルトによる加熱を受けていない斜長石が存在しない.このことから,1663年はバサルトの注入から噴出までの間に,十分混和が進んだと考えられる.