Buchanan(1974)
by Isoji MIYAGI @ Geological Survey of Japan, AIST
A model for fuel-cooland interactions. J. Phys. D: Appl. Phys. 7: 1441-1457. (my_id=G1660)
意義
FCI (fuel-cooland interactions) とは?
高温の液体と,低温で気化する液体とが混合したときに激しい爆発が起こることはよく知られている.この現象は色々な呼ばれかたをするが,そのひとつがFCIである.Fuelは高温液体を,Coolantは気化しやすい低温の液体を指すのであって,実際に燃料と冷却材という関係ではない.たとえば:
液体の水(coolant)と液体金属(fuel) 液体ナトリウム(coolant)と液体酸化ウラン(fuel) 液化天然ガス(coolant)と液体の水(fuel)
という具合.
この現象では,とくに化学変化が起きるわけではない.熱のエネルギーが移動することが本質である.FCIのさまざまな事例は,以下の文献に書かれている.Witte et al (1970),Brauer et al (1968),Groenveld (1972).しかし,この現象のメカニズムを物理的に説明したものはない.
これまでの実験的研究により提唱された,FCIの進行ステージは以下のとおり.
- 2つの液体の接触面付近で,過熱された低温液体中に気泡が生成する.
- その気泡は低温液体に熱を奪われることにより急速に消滅するそれが空間的非対称に起きるため,低温液体がジェットになる.
- 低温液体のジェットが高温液体に注入されることにより接触面積が急速に増大する.
- 接触面積の増大に伴って伝熱効率があがる.また,低温液体が高温液体の中に注入される.
- すると低温液体中には多くの気泡が生成し,これが潰れることによってステージ2がひきおこされる.あとはこのくりかえし.