AFMカンチレバー型ナノニードルを用いた細胞解析技術

生きた細胞に直径200 nmの極細針「ナノニードル」を挿入し、細胞内部でその場解析する細胞解析、あるいは物質を直接導入する細胞操作を行う技術を開発しています。ナノニードル挿入の細胞へのダメージは極めて小さいため、我々はこの手法をセルサージェリーと名付けています。中でも原子間力顕微鏡(AFM)の探針を加工して作製したナノニードルは、AFMを使うことにより、精密な位置制御が可能であり、かつ力学的な応答が得られるため、様々な応用が可能です。

集束イオンビームによるナノニードルの加工
ナノニードル細胞挿入時のForce-distance curve

斥力の緩和は細胞膜の貫通を示し、挿入の成否を確認しながら操作を行うことが可能です。

ナノニードルを用いたタンパク質の力学検出

生きた細胞内の骨格タンパク質など何らかの形で細胞体と結合するタンパク質を抗体修飾ナノニードルで力学的に検出します。破断力の最大値をFishing forceと定義して測定を行います。

矢じり型ナノニードルによる細胞接着力の測定

同様に細胞を強制的に剥離させ、接着力を測定することも出来る。