石塚吉浩 Yoshihiro Ishizuka GSJ/AIST 更新2002年3月5日
利尻火山の地形 Topography of Rishiri Volcano
 利尻火山の地形を空中写真を基に分類したのが図1です。浸食の進んだ成層火山体には,山頂から放射状に浸食された谷が形成されているのが分かるでしょう.これら浸食谷には,溶岩流・火山砕屑物の互層や,岩脈を数多く観察することができます.代表的な岩脈にはローソク岩(山頂部)三本槍(東北稜),小屏風(仙法志稜)と名前が付けられ,利尻山のシンボルの一部となっています.
溶岩流・火山砕屑物の互層(沓形登山道
三本槍(東北稜)
ローソク岩(山頂部)
図1,利尻火山の地形分類図 (石塚,1999)(拡大
 利尻火山の成層火山体には,地形的に2つの火山体,主火山体と長官山火山体が存在しています(図1).主火山体は山頂部を含む火山体の大部分を構成していて,標高1,000mから500m程に火山原斜面(もともとの火山体の斜面)を持つ特徴があります.仮に沓形登山道(図2)を登るなら,標高500mから1,000m で火山原斜面上を歩くことになるでしょう.一方長官山火山体は,山の北側を構成していて,火山原斜面よりやや浸食の進んだ尾根状の斜面を形成しています.北から登る最も一般的な鴛泊登山道(図2)なら,標高400mから1,250mで長官山火山体上を歩くことになります.これら2つの火山体は,標高400〜500m付近に傾斜の変更点があり(図2),山頂から傾斜変更点までが35°から20°の急斜面,傾斜変更点から海岸までが12°以下の緩斜面となっています.このうち緩斜面の大部分は火山麓扇状地堆積物から構成され,利尻島の山麓を広く覆っています(図1).
 側火山は,山腹〜山麓にかけて溶岩ドーム,スコリア丘,マールをつくり,利尻島の地形を多彩にしています(図1).側火山は○○岬や○○ポン山,○○沼の名で親しまれていることからも分かるでしょう.例えば,北山麓の鴛泊ポン山やペシ岬は溶岩ドームからできていて,南山麓の仙法志ポン山や鬼脇ポン山はスコリア丘,オタドマリ沼はマールからできています.側火山の多くは,北西から南東の方向に形成されています.
図2,利尻島と周辺海域の地形図(等深線は陸上で100m毎,海域で20m毎)
利尻火山の噴火史

利尻火山の噴出中心と噴出率

利尻火山に関する文献一覧

ペシ岬(溶岩ドーム) オタドマリ沼(マール)
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