さて,接続係数はどのように決めたらよいのだろうか.
二つの接ベクトル
を平行移動させた
とき,通常はその幾何的な関係が変わって欲しくない.
具体的には,平行移動させる前の内積と,平行移動させた後の内積は同じ
値であってほしい. この制約下では,接続係数は計量
に依存して一意に決まってしまう6. これをリーマン接続(または
レビチビタ接続)という7.
だから,普通の微分幾何では空間の構造は計量だけから決まってしまう.
ところが,後で述べるように統計的な立場からは,
むしろ内積を保存しない接続の方が意味をもつ場合がある.
といっても何でもいいわけではなく,
ある種の統計的不変性を仮定すると,接続係数は次のように自由パラメータ
をもつものに限定される. 便宜上接続係数
を
計量
で変換したものを
とおくと,
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