さて,今までは 1 つの が 上を渡り歩いて最適解を探すという ものであったが,複数の で探せばもっと効率がよくなるのではないかと いうのが本稿の主テーマである集団最適化である. まずここでは MCMC を集団で行う集団モンテカルロ法について説明しよう5.
最も単純なアイディアは, を 個用意して,それらに対して独立に MCMC を 走らせるというものである. これは, に値をとる 個の確率変数 を考え,
(1) 極限分布 (7) の一般化: 同じ形の分布である必要はない. 例えば,(2) 式で,それぞれの ごとに温度が 違う分布 を使って,
(2) 1 変数 MCMC から多変数 MCMC への一般化: 提案分布を1変数ごと独立 ではないものに拡張することが考えられる. といってもそれだけでは少し広すぎるが,例えば独立な 1 変数 MCMC ステップ に加えて と の値を入れ替えるという操作によって, と の間の相互作用のような効果を入れることができる.