三宅島2000年活動に関する見解
8月18日噴出物の検討のまとめ
2000.08.31
地質調査所
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結論:
8 月18 日の噴出物の約40 %を占める、発泡した黒色火山灰、カリフラワー
状の火山礫・火山弾は、本質物質である可能性が高い。
根拠:
- 噴石の形態:塑性変形した形態を示す。
- 相似形、破断面がない、表面が丸みを帯びており、皺がある。
- 底は平ら(落下時に高温)。
- 上部に膨張して生じた割れ目(飛来・落下時に高温)。
- 噴石周囲の酸化:噴石が落下時には高温であった。
- 噴石の下、および割れ目中の火山灰・火山豆石が赤色変質(酸化)。
- 火山灰・火山豆石を赤色変質させた温度は500 度以上である。
- 赤色変質火山灰・火山豆石も、8/18 の降下火山灰と同じ鉱物組成を持つため、堆積後に酸化を受けた考えられる。
- 噴石〜火山灰の特徴が一致:噴石〜火山灰は同一の起源をもつ
- 全岩組成は噴石〜火山灰まで大きさに依らず一致し、過去の噴出物とは異なる。
- 噴石〜火山灰は顕微鏡下では同様(石基の高結晶度・微結晶・発泡)の特徴をもつ。
- 7/14 発泡黒色火山灰は顕微鏡下では8/18 火山灰と同様(石基の高結晶度・微結晶・発泡)の形態的特徴を持ち、石基斜長石組成も一致する。