嗅覚検査とは?
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日本の主な検査法
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海外の主な検査法
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日本の新しい検査法
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- 日本の耳鼻咽喉科で多く用いられている検査法
- 静脈性嗅覚検査(アリナミンテスト)
:アリナミン®注射液を静脈に注入し、注入開始からニンニク臭を感じ始めるまでの時間と感じなくなるまでの時間を計測する。
- T&Tオルファクトメータ (嗅覚測定用基準臭)
:日本において嗅覚閾値検査の基準となっている方法。
5種類の基準臭それぞれについて8段階の濃度が設定されている。
細長い濾紙(におい紙)の先端に基準臭をつけ、被検査者に提示する。
濃度の薄い方から提示し、何かにおいを感じるまで濃度を濃くしていく(検知閾値)。
更に、何のにおいか判 断できるまで濃度を上げる(認知閾値)。
【発売元】第一薬品産業株式会社 (http://www.j-ichiyaku.com/kyukaku/t-t.html)
- パネル選定のために用いられる検査法
- パネル選定用基準臭
:3基準臭、もしくは5基準臭が用いられる。
5本のにおい紙のうち、2本に基準臭、残り3本に無臭の対照液をつけ、被検査者に提示する。
被検査者は、においがついていると思う2本のにおい紙をあてる。
【発売元】第一薬品産業株式会社 (http://www.j-ichiyaku.com/kyukaku/panel.html)
- 閾値検査法 《においを感知する力を測る》
- The Smell Threshold Test™ (STT)
:プラスチックボトルに、におい溶液もしくは無臭の溶媒を吸着させた内容物を入れ、ボトルの側面を押してにおいを嗅ぐ。
2点比較法(2つのうち、一方がにおい付き)による強制選択。検知閾値のみ測定可能。
【発売元】アメリカ‥‥Sensonic, Inc. (http://sensonics.com/)
- Sniffin' Sticks®(The Threshold Test)
:ペン型容器に納められたフェルト芯に、におい溶液もしくは無臭の溶媒が染み込ませてあり、キャップを外してにおいを嗅ぐ。
3点比較法(3本のペンのうち、1本のみにおい付き)による強制選択。検知閾値のみ測定可能。
【発売元】ドイツ‥‥Burghart Medizintechnik (http://www.burghart-mt.de/)
- 弁別検査法 《においを嗅ぎ分ける力を測る》
- Sniffin' Sticks®(The Discrimination Test)
:3点比較法(3本のペンのうち、異なるニオイの1本を選ぶ)による強制選択。
【発売元】ドイツ‥‥Burghart Medizintechnik (http://www.burghart-mt.de/)
- 同定検査法 《何のにおいか分かる力を測る》
- The Smell Identification Test™ (SIT)
:マイクロカプセル化した嗅素を定着させた紙を鉛筆でこすり、においを嗅ぐ。回答は4つの選択肢からの強制選択。
【発売元】アメリカ‥‥Sensonic, Inc. (http://sensonics.com/)
- Sniffin' Sticks®(The Discrimination Test)
:回答は4つの選択肢からの強制選択。
【発売元】ドイツ‥‥Burghart Medizintechnik (http://www.burghart-mt.de/)
- Smell Diskettes
:プラスチック製の薄く平らな容器を両手で持ち、一方を横にスライドさせると中央部が開いて、においが提示される。
回答は3つの選択肢からの強制選択。選択肢にはイラストが添えられている。
【発売元】スイス‥‥Novimed Medizintechnik (http://www.smelldiskettes.com/)
現在、日本の耳鼻咽喉科では「静脈性嗅覚検査」と「T&T オルファクトメータ」が嗅覚検査法として多く用いられていますが、いずれも閾値を測定する検査法です。
これまで日本にはアメリカやドイツ、スイスのように、 嗅覚同定能力※を測定する検査 法が存在しませんでした。
※においを嗅いだ時に、 そのにおいが何のにおいであるかを当てることを「においの同定」といいます。
同定能力の測定には、予め提示されたにおいの名前または類型(分類)から適切なものを選ぶという方法が一般に用いられます。
同定能力検査は「何のにおいかを当てる検査」ですので、 検査を受ける人(被検査者)の大半が嗅いだことのないにおいを用いるのは適切ではありません。
そのため、被検査者の生活環境や文化を十分考慮した上で、 検査に用いるにおいを決定する必要があります。
***** 日本人のための嗅覚同定能力検査法 *****
- においスティック ( スティック型嗅覚同定能力検査法)
:(独)産業技術総合研究所が(独)製品評価技術基盤機構および高砂香料工業株式会社と共同で開発した検査法。
12種類の嗅素から構成される。
マイクロカプセル化した嗅素をワセリン等に混ぜ込み、リップスティック型に成型したものを「においスティック」と呼ぶ。
においスティックを薬包紙に塗り付け、二つ折りにした後、薬包紙をこすり合わせてにおいを発生させる。
回答は、においの名前4つに「分からない」「無臭」を加えた6つの選択肢から選ぶ。
【発売元】第一薬品産業株式会社 (http://www.j-ichiyaku.com/kyukaku/stick.html)
- Open Essence ( 嗅覚同定能力研究用カードキット)
:(独)産業技術総合研究所が和光純薬工業株式会社と共同で開発した検査法。
においスティックと同様の12種類の嗅素から成る。
名刺大の二つ折りカードを開くと、マイクロカプセル化した嗅素が壊れ、においが発生する。
回答は、においの名前4つに「分からない」「無臭」を加えた6つの選択肢から選ぶ。
【発売元】和光純薬工業株式会社 (http://www.wako-chem.co.jp/siyaku/info/ana/article/openessence.htm)