スティック型嗅覚同定能力検査法とは?
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におい提示試料の作成方法
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におい提示試料の提示間隔・提示順序
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検査手順
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被検査者に対する説明
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採点手順
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検査結果DB
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嗅覚同定能力の判定基準
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独立行政法人産業技術総合研究所、独立行政法人製品評価技術基盤機構、 高砂香料工業株式会社が共同で開発した嗅覚同定能力(何のにおいか分かる力)を測定するための検査法です。
この検査法で用いられているにおいは12種類です。
4つのにおいの名前と「分からない」 「無臭」の計6つの選択肢の中から、嗅いだにおいに最もあてはまる選択肢を選んで回答します。
においスティックは冷蔵保存です。使用する30〜1時間前に冷蔵庫から取り出してください。
また、においスティックを塗りつける部分を示した台紙(下図左)を予め準備しておくと、 におい提示試料(下図右)を作成するのに便利です。
- においスティックのキャップを外し、先端を出します。
- 長方形の薬包紙(5.25cm×10.5cm)を正方形になるよう中央で折ります。
(※台紙がある場合は、台紙の上に薬包紙をのせてください。)
- 片側内面中央部の直径約2cmの円内全体に、 においスティックを塗布します。
このとき、5回程度円を描くように円内を塗りつぶしてください。
- においスティックを塗布した部分を内側にして、二つ折りにしてください。
<台紙>
<におい提示試料>
- 次のにおいを嗅ぐまでに、30秒以上間隔を空けてください。
- 嗅ぐにおいの順序は原則ランダムとしますが、 悪臭については次の2点に留意してください。
- 留意点[その1]‥‥悪臭は続けて提示しない。
- 留意点[その2]‥‥悪臭は最初と最後に提示しない。
- 一人の検査者が複数の被検査者を同時に測定する場合には、他の被検査者の回答に影響を受けないよう、 被検査者ごとに異なるにおいの順序で提示してください。
- 検査者は、作成したにおい提示試料を被検査者に渡します。
(※このとき被検査者に対し、 二つ折りにされた状態のまま薬包紙の直径約2cmの円部分を示し、紙の内側ににおいが塗布されていることを伝えます。)
- 被測定者は、二つ折りの状態のまま、におい提示試料の円部分を親指と人指し指で挟みます。
円をすりつぶすように5回程度すり合わせてから開き、すぐににおいを嗅ぎます。
(※被検査者が高齢や年少、病気、身体がご不自由などで、薬包紙をすり合わせる力が弱い場合には、
検査者がすり合わせてから被検査者に手渡してください。)
- 被測定者は、嗅いだにおいについて、4つの選択肢の中から最もあてはまるにおいの名前を選んで回答します。
4つの中からどうしても選べない場合には「分からない」、無臭であると感じた場合には「無臭」と回答します。
(※一度に複数の被検査者に対して実施する場合には、 口答で答えてもらうと他の検査者の回答に影響を与える可能性がありますので、 回答を指さしてもらってください。)
- 検査者は、においの拡散を防ぐために、嗅ぎ終わったにおい提示試料をその都度回収し、 予め用意したビニール袋に入れてください。
残りのにおい提示試料についても、上記1〜4の手順を繰り返します。
検査者は、被検査者に対して次のように説明を行ってください。
- 【検査内容について】
これから、嗅覚能力の検査を行います。においを12臭嗅いでいただきます。
- 【におい提示試料について 】
B すり合わせたら、開いてすぐににおいを嗅いでください。においが塗りつけられている部分に鼻や手が触れないように注意してください。
@ これから二つ折りの紙をお渡しします。紙をご覧いただくと、丸く何か塗ってあるのがお分かりになりますか。 紙の内側ににおいが塗りつけてあります。
A この円の部分を親指と人差し指で挟んで、円をすりつぶすようにグルグルと5回程度すり合わせてください。
(※高齢や年少、病気、身体がご不自由などで、 薬包紙をすり合わせる力が弱い場合には検査者がする合わせてから被検査者に手渡してください。)
(※においによっては、すぐに飛散してしまうものもありますので、できるだけ鼻を近づけてから紙を広げて、 においを嗅いでください。)
(※鼻や手ににおいが付着してしまった場合には、手を洗ったり、無臭のウェットティッシュで拭くなど、 においを取り除く処置をしてください。)
- 【回答方法について】
“1”から“4”の選択肢(においの名前)の中から、嗅いだにおいに最も近いものを選んでください。
4つの選択肢からどうしても選べない場合は“5”の「分からない」を、 また無臭であると感じた場合は“6”の「無臭」を選択してください。
嗅ぎ終わったにおい提示試料を回収し、被験者に次のにおい提示試料を渡します。
225名に対してスティック型嗅覚同定能力検査を行った結果から“正答数の平均−1SD”の値を求め(下図)、 正答数8以上を『正常』 とする判定基準を設けました。
<正答数のヒストグラム>