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2.1 ジャンボーグA以前

ジャンボーグAについて述べる前に、テレイグジスタンス方式の原型というべきアイデアを提案したSFを紹介したい。

文献[40]によると、 E. M. Forsterは、1909年の作品 The Machine Stops(機械が止まる時)orsterにおいて、 名称は別であったが、テレプレゼンスとコンピュータ・ネットワークを予想していた。 文献[52]によると、 Amazing Stories1928年10月号に書かれたJ. Schloselの作品 To the Moon by Proxy(代理で月へ) [63]にお いて、遠隔操作によるロボット操縦、さらには遠隔制御された ロボットによる月探検のアイデアが提案・例解された。

1942年に書かれたRobert A. Heinleinの作品Waldo(ウォルドウ) [18] では、Waldo という名前の天才科学者が主人公である。彼は 地球周回軌道上に居を構えていて、地球との接触を保つために、 人々に「ウォルドウ(Waldoes)」と呼ばれることになる様々な力帰還型マス ター・スレーブ型マニピュレータを開発した。 彼は、4x5フィートの立体カラーテレビを見ながら、マスターマニピュレー タを操縦して、地上世界と接触する。また、人間型ロボットを操って、他人と 応対したりする。 Minskyは、テレプレゼンスの概念を提案した1980年の論文において、 Waldoに数多くの示唆を得たことを記している [49]。 その後、 Heinleinは、1959年の作品Starship Troopers(宇宙の戦士) [19]において、 「ただ着さえすれば、君の筋肉から直接に命令をキャッチして、筋肉がやろ うとしていることをやってくれる」というパワード・スーツを提案した。

ジャンボーグA以降の作品ではあるが、 James Tiptree Jr.は、1973年の作品The Girl Who Was Plugged In(接続された女)で、 脳神経からのネット経由での他人との「接続」というテレプレゼンス技術を描 いていた[80]。


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Eimei Oyama 2001-11-10