今後の展開

応用範囲

以上のように,環境に適応してすばやく変形可能な新しいタイプの3次元モジュール型ロボットの可能性が実験的に示されました.

今後,このようなモジュール型ロボットは,危険だったり,狭かったりして人間が入っていくのが難しい場所で,周囲の環境に自らを適応させながら移動や捜索などの作業を行うロボットへの応用が期待されています.例えば,以下のようなものが考えられます.

  • 惑星探査ロボット :     地形に応じて移動方法を変えながら探索

  • レスキューロボット:    狭い場所に入り込んで,形を変えながら生存者を捜索.

    点検ロボット:              トンネルやパイプ内,原子力プラントなど,狭いあるいは人間が
                                  作業しにくい場所での探傷

  • 狭隘部作業ロボット:  造船での溶接など,狭い上に場所によって異なる姿勢が必要な作業

 

今後の改良点

   現在は,全モジュールはホストのパーソナルコンピュータにより,集中的に制御されていて,あらかじめ計画した動きを行わせています.今後は,

  • モジュールに外部環境を検知するセンサを取り付る

  • 各モジュールが自律性に動作を決定する分散制御を実現する

ことで,未知の環境に適応しつつ移動や作業を行わせることが目標です.

   また,

  • 現在は手動で入力しているロボットの動作計画の自動化,効率化

  • より信頼性の高い動作を目指してモジュールのハードウェアの改良

  • 周りの環境に合わせて行動を学習できる高度な知能の実現

も進めていく予定です.