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産業技術総合研究所セラミックス研究部門(中部センター)の機能複合粉体研究グループは、非酸化物粒子を直火(じかび)で連続的に製造する新しい手法を開発した。「酸素が不可欠の火炎装置で非酸化物は合成できない」という常識を覆し、球形度の高い窒化アルミニウム(AlN)粒子の合成に成功。放熱問題が急務となっている半導体基板や放熱部材用のフィラー(充てん剤)としてサンプル出荷を計画しており、量産装置の開発プロジェクトにも着手した。
この直火製法を開発したのは、高尾泰正主任研究員、大橋優喜グループ長、山東睦夫副研究部門長らのグループ。セラミックス系フィラーの標準製法である火炎装置とガス窒化法を融合した。ガス窒化法とは、電気炉焼成で窒素の代わりに還元性ガスを用いたり、炭化水素系ガスを添加したりする方法をいい、詳しい反応機構はあまり知られていなかった。研究グループでは、熱力学的に窒化反応を再検討し、炭化水素系ガスを構成要素とする火炎装置を改良した。