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ハイパワーデバイスなどでは放熱性が特に問題となり、放熱フィンや放熱板の使用、リードフレームや樹脂材料の高熱伝導化が行われているが、封止材料中大部分を占めるフィラー材料の変更が、寄与度が大きい。そこでSiO2と並び球状粉体の技術基盤の充実しているAl2O3や、BN等が検討されている。
AlNは高熱伝導性などを利用して、代替の回路基板として応用が進められているが、フィラー応用が確立できれば、その高熱伝導性と、Si基板との小熱膨張率差より革新的な特性向上を達成する可能性がある(AlN, metal Si, Al2O3 and SiO2; 300, 90, 20 and 2 Wm-1K-1 at 400K/ thermal expansion coefficient of AlN is close to that of Si substrate, 5×10-6 K-1)。
1999年度・全世界のAlN粉体生産量250t/年、2001年には代表的メーカーのトクヤマが240t/年級製造設備を480t/年にすると発表するなど、AlN粉体市場は拡大傾向にある。
AlN粉体の製造方法 は次の 1と2で殆どを占める
「フィラー」(即ちSiO2のこと)の製造方法は;
AlN粉体の工業的製法である直接窒化法と還元窒化法は、焼結体原料として開発が行われており、フィラー粉体に必要な10数ミクロンの粒子径、幅広い粒子径分布、高い球形度を必ずしも満足していなかった。一方SiO2フィラーは天然硅石原料の化学炎法(可燃性ガス-酸素系)で製造されている。AlN粉の化学炎合成が可能となれば、上記のフィラー粉体特性の達成、SiO2系の知的資産や製造設備の利用、生産性、熱伝導性に特長を有した新規フィラー供給方法を提供するものと期待される。従来は、非酸化物で融点の無いAlN粉体の、酸素雰囲気中の火炎法合成は報告されていなかったものと考えられる。
<合成方法の想定される利点、整理>