山 本 慎 也 / Shinya Yamamoto, Ph.D.
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研究紹介
脳は多数の感覚情報の入力を受け、外界を再構成しています。当研究室では、心理・生理・薬理学実験により、マクロからミクロのレベルまで、知覚や認知の脳内情報処理を包括的に理解することを目指しております。現在進行中の主な研究テーマとして、以下のものがあります。



時間と空間の脳内表現
脳は時間情報をどのように処理しているのでしょうか?神経細胞における情報処理においては、神経細胞の発火頻度やそのタイミングなど、時間軸方向に情報が載せられていると考えられており、時間の情報そのものをどのようにコードしているのかは、未知の問題です。そのような観点から、時空間情報の情報表現の解明を進めています。

多感覚情報統合および分離の脳内メカニズム
脳内では多数の情報が並列に処理されているが、関連する情報間を結び付け、関連しない情報間を切り離す、交通整理の仕組みが必要です。我々は、「複数の並列処理された情報がどのように統合・分離され、知覚・意識を生じさせているのか」という問題の解明を進めています。

脳内局所温度変化による認知行動調整機構
電気活動以外のパラメータが情報処理にどのように関与するかという観点から、特に脳局所温度に着目した研究を進めております。近年、我々は、大脳皮質の局所冷却により興奮・抑制のバランス(E/Iバランス)が影響を受けることを発見しました。現在、脳温度は情報処理にどのように組み込まれているのかを解明することを目指しております。