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3次元形状処理(過去の研究テーマ)

ここでは過去に実施した3次元形状処理に関する研究内容を紹介しています。

自由形状のカット&ペースト編集

3次元形状モデルに対するカットアンドペースト編集についての研究です。 ここでは自由形状の再利用を念頭に、滑らかな曲面上に存在する詳細な形状の切り取りと貼り付けを行います。 その際に、切り取りでは結果が滑らかな曲面形状となり、貼り付けでは周辺形状と滑らかに接続する操作を実現しています。

文献

内容説明

対象とする自由形状のカットアンドペースト編集では、対象領域をベース曲面と詳細形状と呼ばれるものに分離します。詳細形状を取り除く操作が切り取りで、他のベース曲面にある詳細形状を加える操作が貼り付けです。 このようなカットアンドペースト編集では、ベース曲面に詳細形状がどのように貼り付くかという対応付けが重要で、このような対応付けをパラメータ化と呼びます。 この図は提案するカットアンドペースト編集の中心となる、空間的なパラメータ化の概念図です。提案手法では、選択領域の境界部分を近似するパラメトリック曲面をもとめ、その曲面を拘束として選択領域を囲むパラメトリックボリュームを求めます。これによって、空間的に広がる詳細形状を全て同様にパラメータ化します。

上記のようなパラメータ化を行うことで、自由形状のカットアンドペースト編集を実現します。 この図は提案するカットアンドペースト編集の流れです。 まず、(a)ユーザが形状の取り出し(ソース)領域を選択します。 それに応じて、(b)曲面とボリュームのフィッティングが行われ、対象領域のパラメータ化によってベース曲面と詳細形状が分離されます。 (c)切り取り操作では、対象領域をベース曲面の形状で置き換えることで実現します。 次に、(d)ユーザは形状の貼り付け対象(ターゲット)領域を選択します。 続いて、(e)切り取り操作と同様に、曲面とボリュームのフィッティングが行われ、それによって詳細形状をボリューム内に固定します。 最後に、(f)ボリューム内に固定した詳細形状を対象領域の形状と接続することにより、貼り付け操作が実行されます。

提案するカットアンドペースト編集の特徴を2点示します。 まず一つは、この図に示すように、貼り付け後の形状に生じ得る自己交差を抑制可能なことです。ボリュームフィッティングを行う際に、平滑さの指標を導入した最適化計算を行っているので、自己交差が生じないようなボリュームを容易に作ることができます。
もう一つは、この図に示すように、位相の変わる操作が可能なことです。図の例では、マグカップの取手形状をウサギのモデルに貼り付けています。空間的なパラメータ化を導入しているために、このような操作が可能となっています。

NURBS曲面データ圧縮

複数のNURBS曲面で構成されるデータに対して、 目的に応じた許容誤差を指定するデータ圧縮法の研究です。 CADデータに多く用いられるNURBS曲面の直接圧縮を実現することによって、 CADデータ全体を形式変換せずに圧縮することが可能になります。

文献

内容説明

この図は提案するNURBS曲面圧縮手法の基本的な概念図です。 本手法では、1枚のNURBS曲面は境界曲線と付加データの組合せによって表現されます。


本手法では、圧縮時にデータサイズと品質を制御するために、 3通りの圧縮方法を用意しています。 それぞれの方法では付加データとなる差分表現が異なり、 要求される品質やデータサイズに応じて使い分けています。 差分データは画像ファイルの圧縮方式であるJPEGと同様に、 DCTを用いた手法で圧縮します。


ここでは2種類の実験結果を示しておきます。

元のデータに対する圧縮後のデータサイズの割合を示しています。

曲面が接続する境界が保存されているので、 損失ありの圧縮をしても曲面が大きく離れることはありません。 大きく圧縮すると視覚的な品質の低下が確認できますが、 視覚的な品質を確保してもかなりの圧縮率を達成できます。

最終更新日 2012-08-17