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分岐に関する特徴づけについての定理の証明
(定理 3 および定理 4 の証明)
一般性を失うことなく,
としてよい.
仮定より,正規分布の要素数は偶数なので,
とする.
真の分布は対称で正規分布の数は偶数だから,分岐は対称で
 |
(A.1) |
と書ける.
ただし
 |
(A.2) |
ここで,分布の対数の微分を
 |
(A.3) |
とおく.
真の分布
に関する尤度は,真の最尤解
で 0 になり,
![\begin{displaymath}
R_{\rm exp}(W^*;\ \beta) =
{\rm E}_{q}\left[\,L_k(x;\ W^*;\ \beta)\,\right] = 0,
\end{displaymath}](img387.png) |
(A.4) |
を満たす.
この解は,分岐点より前では
となり,分岐以後では
は
一般に 0 ではなくなる.
を用いて
を表すために,
を
については 3 次まで,
については 1 次まで,
と
のまわりで
展開する.
とおき,
高次の項を省略すると,
個の
と
に
関する方程式を得る. これらはそれぞれ,
という
形をしているので,
または
を満たす.
そこで,
個の中で
を満たす方程式の個数を
と置く.
まず,
のとき,
はすべて
 |
(A.6) |
という単一
の方程式に帰着され,定理 3 の第 3 の場合になる.
したがって,高次の項を無視すると
が
から一意には
定まらないことを意味する.
次に,
とすると,
は
 |
(A.7) |
という方程式となり,0 でない
は符号を除きすべて同じ値
になる.
このうち尤度を最大にする
を求める.
ある温度
での尤度
を分岐点での尤度の
周りで展開し整理すると,
となる.
等に具体的な値を代入し,
更に式 (A.7) を
に入れると,
となる.
ここで,
と仮定すると,
一般に,
なので,右辺第 2 項は
について
下に凸になる.
したがって,最大値は
または
のときに限られ,
それぞれの場合を比較すると,
が最尤解となる. これは
となる
解が一つもないことを意味しており,この場合分岐は 2-way になることが示された.
一方,
と仮定すると,
今度は上に凸になるので,極大点を調べると,
 |
(A.10) |
となり,この場合分岐が 3-way になることが示された.
また,式 (A.9) から,
の項は
0 になることがわかり,定理 4 も導かれる.
証明終
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Shotaro Akaho
平成15年7月22日