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分岐点より温度が高い場合

分岐点よりも温度が高い場合については Rose らの結果が知られている[75]. 温度がある臨界点 $1/\beta_c$ よりも高いときには,すべての正規分布が一 つに退化し,その解は $\mbox{\boldmath$w$}_k = {\rm E}_{q}\left[\,\mbox{\boldmath$x$}\,\right]$ となる. 最初の分岐点は,

\begin{displaymath}
\beta=\beta_c={1\over 2\lambda_1},
\end{displaymath} (4.2)

で与えられる. ただし,$\lambda_1$ $\mbox{\boldmath$x$}$ の分散共分散行列の最大固 有値である. これは, $q(\mbox{\boldmath$x$})$ の第 1 主成分軸に沿った分散と RBBM の要素分布の分散 ($1/2\beta$) とが一致したときに最初の分岐が 起きることを示している.

この結果はそれ以降の分岐点に対して定性的には次のように働くと考えられる. 分岐した各クラスタは $\beta$ を大きくするともに次第に距離が離れていく. もし,クラスタ間の距離が十分に大きければ,サンプル点はより近いほうの クラスタの共分散行列のみに貢献するので, それぞれのクラスタに属するサンプル点の共分散行列の固有値が, それぞれのクラスタの分岐を決定すると考えられる.



Shotaro Akaho 平成15年7月22日