カーネルを使った学習では SVM などと並んでよく用いられるのが, ノンパラメトリックな密度推定の代表であるカーネル密度推定と, ニューラルネットモデルの一種と考えることもできる RBF ネットワークモデル である. ここではそれらについて簡単に触れておこう.
どちらも SVM などと同じく正則化の枠組みから導出されるものである. Representer 定理では,特別な形の正則化項を RKHS の枠組みの中で考えたが, 一般の場合の最適解は,正則化オペレータの Green 関数 (Hilbert-Schmidt 展開) を求めることに帰着される.
これを密度関数の場合に適用したのがカーネル密度推定であるが, 一般にこの場合のカーネルは半正定値である必要はないので,RKHS の枠組み からはみ出すことも正則化項の設計の仕方によってはあり得る.
RBF の場合は, の空間でのシフトに対する不変性を仮定して, 正則化問題を解くことにより動径基底関数 (Radial Basis Function) がサンプル 点にあるような解が得られる.通常は基底の数を減らすために, RBF ネットワークでは基底関数自身がさらなる最適化の対象となる. このほか平滑化スプラインも同様の枠組みに含まれる.