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おわりに

本稿では確率的な学習モデルを幾何的に眺める方法について,特に平坦な 空間への射影という観点から大まかに説明した. 本稿で扱えなかった問題として,グラフィカルモデルにおけるマルコフ連鎖 モンテカルロ(MCMC)法の幾何的解釈[27]や, 確率分布のパラメータの次元縮小[13,2] などがあり,やはり平坦な構造に着目している. 一方,情報幾何は平坦でない場合についてもさまざまな研究がある. 接続係数から計算される曲率や捩率と呼ばれる幾何的な量が 学習モデルの性能解析や性能向上に重要な役割を果たす.

紙面の制約と筆者の力不足から,必ずしも易しい解説になったかどうか 自信がないが,少しでも情報幾何に興味を持っていただける方が増えれば 幸いである. また最後に挙げた面白いトピックについても触れることが できなかったが, 多くの参考文献を挙げておいたので詳しくはそちらを参考にして頂きたい.



Shotaro Akaho 平成19年6月13日