私達は地上(あるいは地下)に建物を建てたり、地下資源を利用して生活しています。 そのため、それを支える地面(地下)の様子を知ることが重要になります。 しかし、たとえ数cmであっても、地下を知ることは容易ではありません。 そこで、地下の地質構造を明らかにするために地球物理学(ジオフィジックス)の研究に取り組んでいます。
愛知県三河湾地域の活断層構造の解明
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愛知県三河湾地域の地下を探る研究では、重力データを使って地下の深さや構造を推定しました。
この研究では、知多半島を形作る活断層(内海断層)、西三河平野に伏在する活断層(高浜断層)の姿を明らかにし、
この地域がいかに複雑で、過去には地殻の動きによって大きく変化したことが明らかになりました。
特に、高浜断層が1945年三河地震の発生に大きくかかわっている可能性があります。
地震予測や地質学的理解に役立つ重要な発見です。 参考: Miyakawa et al. (2020) 本研究で産総研プレス発表をしました。 [産総研HP] |
阿蘇山のマグマだまりと2016年熊本地震
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九州にある阿蘇山の地下にはマグマだまりがあり、2016年の熊本地震とどう関係しているのかを調査しました。
2016年の熊本地震時の布田川断層に沿った地震滑りが止まった場所と、本研究で明らかになった阿蘇山のマグマだまりの位置が一致しました。
このことから、地震時の急激な断層変位が、マグマだまりで停止したと考えられます。
この研究は、火山活動と地震の関係を理解する手がかりとなります。 参考: Miyakawa et al. (2016) |
南海トラフ熊野灘のガス(メタン)ハイドレート
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南海トラフ熊野灘での深海掘削により、ガスハイドレート(メタンハイドレート)の存在とその飽和度を調査しました。
このガスがどのように地下深くから移動しているかを明らかにし、地球内部のガス循環に新たな光を当てました。
この知見は、自然資源探査や地震研究に貢献します。 参考: Miyakawa et al. (2014) 本研究で日本地質学会 Island Arc賞を受賞しました。 [地質学会HP] |
「重力異常図」の作成・出版
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全国の地下地質構造を明らかにするために、産総研では数十年かけて「重力異常図」を作成しています。
「重力異常」は地下に存在する物質の”密度”に応じて変化する特性から、地下にどのような重さのものがあるかを調べることができます。
「重力異常」を調べるためには、重力計を用いた野外調査が必要です。
都市部・平野部はもちろん、山や海など険しい場所でも重力観測を実施し、全国の「重力異常図」を作成しています。
参考: 産総研 重力図(ブーゲー異常図) 本研究が産総研研究紹介に掲載されました。 [産総研HP] |